《ブラジル》サル痘感染者数が世界3位=疑似症患者も4千人余り=薬や予防接種の輸入は?

サル痘のウイルス(NIAID)

 【既報関連】保健省によると、21日現在のブラジルのサル痘感染者は3788人で、世界3位と22日付現地サイトが報じた。加えて同日現在、疑似症患者も4175人いるという。
 ブラジルの感染者は米国の1万4594人(19日現在)とスペインの5792人(16日現在)に次ぐ3位。3359人となった17日の時点で、英国とドイツを上回った。
 ブラジル初の感染者確認は6月8日だから、75日間で3788人に増えた。21日現在の感染者上位はサンパウロ州2506人、リオ州422人、ミナス州206人、ゴイアス州143人、連邦直轄区141人だ。
 他州は100人未満だが、感染は全国的で、高齢者や生後数カ月の子供も感染している。新型コロナでは75日間で16万2699人が感染していたから、感染速度は遅いが、他の病気と誤診され、報告されていない例も多いようだ。
 サル痘はアフリカ大陸では以前から確認されていた病気でワクチンも開発済み。だが、妊婦や免疫力が低下した患者が感染すれば重症化し得るし、ブラジルでも死者が出ている。検査での陽性率は10%以下が望ましいとされるが、リオ州とエスピリトサント州は49%、サンパウロ州でも34%で、専門家が懸念している。
 また、国家衛生監督庁(Anvisa)は19日、ブラジルでは未認可だが、他の国で認めた治療薬やワクチンの輸入加速を認めた。これにより、サル痘の薬やワクチンの輸入申請は優先的に分析され、7日以内に回答が出される事になった。
 だが、保健省の対応は大きく遅れており、ケイロガ保健相は22日、一斉にワクチン接種を行った国は皆無と前置き後、9月には5万回(2万5千人)分のワクチンが届くが、接種は診察、治療などで感染者と直接接する医療関係者を優先すると発表した。ただし、購入契約は22日の時点では未完結だ。
 また、22日からは啓蒙、撲滅のための全国キャンペーンが始まり、予防対策や症状、感染が疑われた時にとるべき行動などを周知する事を目指す。有効な予防対策は手指消毒やマスク着用、社会的な距離確保だ。

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