リベルダーデ文化福祉協会(ACAL、藤本徹也会長)は7月9~10日に聖市リベルダーデ区にて開催した「七夕祭り」で集まった短冊の「お焚き上げ」を14日に同市東洋会館内庭園で行った。
ACALの七夕祭りは毎年の恒例行事だったが、2020年はコロナ禍によりドライブスルー形式で行われ、21年は中止となった。今年は開催2か月前の5月1日にACAL前会長で東洋街の牽引役と言われた池崎博文氏が亡くなるなど準備状況は厳しかったが、3年ぶりの本格開催にリベルダーデ日本広場はまともに歩けない程の大盛況となった。
お焚き上げ当日は快晴に恵まれ、50人以上の関係者が参加した。焚き上げ式は南米大神宮の逢坂和男神主が取り仕切り、修祓、遷霊、献饌、玉串奉奠、撤饌などの儀を行った。日曜日は東洋会館裏の庭園が一般開放されていたこともあり、式典区域は関係者以外立ち入り禁止としていたが、立ち入り禁止テープの外から式典を眺め写真を撮る観光客も多かった。
神棚の火を、積まれた短冊に燃やし移す中、藤本会長やACAL関係者、林ロドリゴ・グラート市議(PSD)らも短冊を投げ込み、多くの願いが煙と共に天に昇っていった。
お焚き上げ後は東洋会館セレモニー室に移動し、池崎氏へ1分間の黙とうを捧げ、各代表者挨拶の後、盛大な祝賀会が行われた。会場には池崎氏の遺影と献花が供えられていた。
藤本会長は「今年4月の会議で七夕を決行すると決めました。その翌月に池崎さんが亡くなったことに皆驚き、どうすればよいか狼狽え、頭を抱えていました。しかし、この歴史ある七夕まつりが終わることないよう一同団結して開催しました。この伝統を絶やさないよう来年、再来年も積極的に開催し、若手にも伝承していきたい」と述べた。
池崎氏の息子のカルロスさんと妻のセレナ・貴子さんも参加。カルロスさんは、「長年、父が日系社会に尽くしてこれたのは皆さんの支えのおかげ。これからも父の思いを胸に日系社会の存続と団結力を強化するよう頑張っていきましょう」と呼びかけた。
式典には野村アウレリオ市議の代理として同氏事務所員の桂川富夫氏も参加。「この日に合わせたよう良い天気に恵まれて、無事お焚き上げができて本当によかった。池崎会長がなくなったことは残念だが、コロナも収まり、無事に開催できたことを池崎さんも天国で喜んでいると思います。今後も日系社会が強くなるよう継続していってほしいです」と期待を寄せた。