文協主催第十三回全伯俳句大会

全伯俳句大会に参加した皆さん。椅子に座っている前列左端が優勝した山田かおるさん。その右が選者の小斎棹子さん、吉田しのぶ実行委員長(選者)、右端が選者の伊那宏さん

吉田しのぶ選

特選
幼移民異国に老いて春を詠む 山田かおる

次点
外つ国に桜と共に半世紀 鈴木文子

秀句
口ぐせの儲かりません山笑ふ 串間いつえ

老いてなお習ふ幸わせ春を詠む 高木みよ子

鄙の香や友の手土産蓬餅 浅海護也

父の日やいくつになっても吾子は吾子 西谷律子

春寒し平和な故郷に安倍撃たれ 山城みどり

春立つや俳句も仲間ありてこそ 住谷ひさお

趣味に生き農に生きつつ春日和 高木みよ子
山笑ふ妻は元気で今日も留守 鈴木文子

春愁や祖国の豪雨胸痛む 田中美智子

小斎棹子選

特選
山焼や開拓初期の子の火傷 山城みどり

次点
久に逢う友と競うか春の句座 山田かおる

秀句
補聴器に願いをかけて春の句座 山田かおる

桜の木移民と仲良く移りけり 太田映子

笑ひたくなる様な春の寒さかな 串間いつえ

わが友は皆世を去りてイペー咲く 住谷ひさお

開拓地たんぽぽ咲いて墾の屋根 吉田しのぶ

幼な移民異国に老いて春を詠む 山田かおる

春立つや俳句も仲間ありてこそ 住谷ひさお

コロナ禍の続けどそよぐ春の風 田中美智子

伊那 宏選

特選
荒波を越えきし暮し冬日燦 鈴木 文子

次点
春の風二世俳句の夢のせて 西川あけみ

秀句
自粛解け春めく街に人の波 近藤佐代子

口ぐせの儲かりません山笑ふ 串間いつえ

鄙の香や友の手土産蓬餅 浅海護也

わらび摘む吾子には二つある旋毛 西谷律子

断捨離と決めたるピアノ春惜む 篠崎路子

人類の愚行はやまず原爆忌 田中美智子

我いまだ専業主婦よ日脚伸ぶ 西森ゆりえ

捨て切れぬ故国の未練菊根分 浅海護也

サビア鳴く終の住処となる庭に 西谷律子

総合順位

第一位 山田かおる 18点
第二位 山城みどり 11点
第三位 鈴木 文子 10点

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