ボルソナロ大統領が9月7日のブラジリアでの独立記念日の公式パレードに、軍などに混じって、農業界が送るトラクター28台を加えることが確実視されていると、25日付現地紙が報じている。
ブラジリアでの独立記念日の行進には、3軍兵士や連邦警察官、連邦道路警察官、消防士、退役軍人に連邦直轄区の公立校生徒たちが参加する予定で、5700人以上が徒歩、車、または馬に乗って行進する。
そこに、農業界の代表たちがトラクターで参加することになりそうだ。大統領支持派の農業生産者の参加は連邦政府(大統領府)からの招待を受けたもので、連邦政府は招待の意図を「農業はブラジルのGDPを押し上げる強力な存在だから」と説明している。
連邦政府は当初、行進に300台ほどの車を使用したがったが、その数は絞られることになるという。だが、少なくとも、農業界は28台のトラクターを送る意向でいる。
また、農業界はトラクターを動員させるだけでなく、大統領が演説を行うための宣伝カーも1台用意する。通常の独立記念日の行進では演説は行わないが、大統領は軍事行進の後に、保健省の前に置かれた宣伝カーで演説を行う予定だという。
農業界とボルソナロ氏のつながりは強く、同業界が主体となった団体の「緑と黄色の運動」は、昨年の独立記念日の反最高裁デモにも参加している。
ボルソナロ氏の側近は、今回の独立記念日の行進開催にかなり神経質になっていると報じられている。当初の予定では、ブラジリアでの行進は政治的な色合いを落とし、リオ市のイベントで本音の演説を行うつもりでいたという。だが側近らは「大統領の行動は読み難い」とし、制御の難しさを滲ませているようだ。
側近たちは、独立記念日の行進や演説が最高裁や選挙高裁に反抗的なものになったり、クーデターと解釈されるようなものになって、非支持者たちからの拒絶が決定的なものとなることを恐れている。