《ブラジル》選挙高裁=投票時は携帯電話を受付に=候補者の資格審査も進行中=偽情報の削除命令も続く

電子版の選挙人証に関する虚報掲載のビデオに削除命令と報じる25日付アジェンシア・ブラジルの記事の一部

 選挙高裁が25日、投票ブースへの携帯電話持込みを禁じ、持込んだ場合は選挙法違反で警察に通報する事を決めた。また、大統領候補のシモネ・テベテ氏(民主運動)の出馬承認など、選挙に向けた準備が進んでいると25、26日付現地紙、サイトが報じた。
 前回選挙までは携帯電話は電源を切れば持込み可とされていた。だが、存在しない候補者番号を打ち込んでエラーが出た様子を撮影してネット投稿し、電子投票機の信頼を揺るがせるような行為が想定されるため、規制が見直され、ブースへの持込みが禁止された。
 身元確認に必要な情報を携帯電話に保存している人もいるため、投票会場への携帯電話の持込みは認められるが、携帯電話を含む電子・電化製品の投票ブース内への持込みは一切禁止されており、投票終了まで受付に預ける必要がある。
 受付や投票者の案内その他の当日の奉仕者は177万5647人で、190万人弱だった18年選挙より少ない。奉仕者の48%はボランティアで、奉仕者の68%は女性。大半は大卒か高卒で、約63%は独身者だ。

選挙高裁(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 今回の選挙では大統領選での極端な二極化が進み、銃持込みを懸念する声なども出ているため、投票所への金属探知機設置などの治安対策強化が検討されている。アレッシャンドレ・デ・モラエス選挙高裁長官は24日、各州の軍警司令官との会合で警備や治安対策について協議した。
 また、25日には、2020年に購入し、今回が初使用となる電子投票機に関し、サンパウロ総合大学とカンピーナス総合大学、ペルナンブコ連邦大学が安全性を保証する報告書を提出。軍の要請の一つは満たされた。
 25日は、シモネ・テベテ氏と副候補のマラ・ガブリリ上議(民主社会党)の出馬も正式に認められた。各候補は国籍や年齢、政治経験、政党所属などの憲法上の要件を満たした上で、資産内容や無犯罪証明などの提出も求められる。大統領候補で出馬が承認されたのはヴェラ・ルシア氏(統一労働者社会党)とソフィア・マンザノ氏(ブラジル人共産党)に次ぐ3人目だ。
 今回選挙では偽情報対策強化されており、ボルソナロ大統領が各国大使らの前で電子投票機などを批判したビデオや選挙人証電子版に関する虚報などの削除命令も続いている。

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