サンダース米国上議「クーデターなら手を切れ」 ブラジル大統領選に対策法案

サンダース氏(Facebook)

 米国の民主党の大統領候補として知られるバーニー・サンダース氏が、「10月のブラジルの選挙でクーデター行為が行われた場合、米国はブラジルと手を切る必要がある」と発言して話題を呼んだ。25、26日付現地紙、サイトが報じている。
 サンダース氏は現職上議で、10月のブラジルの大統領選に関連した法案を既に準備中だ。その内容は、候補者が敗戦を認めなかったら米国がすぐに勝者を認定することや、クーデター行為を起こそうとする勢力に対しては経済的、さらには軍事的制裁を与えることを提案しているという。
 同氏はフォーリャ紙の取材にも応え、「この法案は他国の選挙への干渉を意味するものではない。大統領を決めるのはもちろんブラジルだ。だが、その大統領が違法な形で、ましてや軍事力で強引に決められた場合、米国はその態度を明らかにしなければならない。そうなれば、経済的なものであれ、何であれ、我が国の支持は得られなくなるということだ」と語った。
 サンダース氏は2016年、20年の大統領選で、民主党の党内選挙に出馬。16年はヒラリー・クリントン氏、20年はジョー・バイデン氏に対して善戦し、2位となった。同氏は80歳と高齢だが、急進左派的な主張が若年層を中心に支持されており、南米の左派からも人気が高い。
 サンダース氏がこのような提案を行う背景には、7月にワシントンDCで行われた「ワシントン・ブラジル・オフィス」という団体がとりまとめたブラジルの市民団体によるシンポジウムの存在がある。同氏はそこに出席し、ブラジルの大統領選に関して、ボルソナロ大統領が選挙システムを疑い続けていることなどを聞いている。
 米国でも2020年の大統領選の際、ドナルド・トランプ氏が選挙後もジョー・バイデン氏の陣営による不正を疑い続け、2021年1月6日の連邦議事堂襲撃事件を招いただけに、ブラジルの大統領選後への警戒心も強まっている。

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