「本当に残念ですが、県人会として第7回世界のウチナーンチュ大会に訪日団を派遣することは諦めました」――ブラジル沖縄県人会の高良律正会長は26日、苦渋の決断を明らかにした。
「世界のウチナーンチュ大会」は、世界中の沖縄県系人が母県に集合する県主導の巨大イベント。1990年から約5年ごとに開催され、第7回となる今年は10月末からの開催を予定している。
前回の第6回大会では、ブラジルからだけで1200人規模の訪日団を組織し、参加した。母県を訪れる海外からの訪日団の中でも最大規模だった。それに他の南米勢を加えれば、優に1500人は超えると推測される。
今回の決定は、22日にブラジル、ペルー、ボリビア、アルゼンチンの沖縄県人会代表が話し合って決めたもの。同大会に関して、南米の県人会からの組織的な派遣はなくなり、「個人として参加することが奨励される」状況となった。
日本政府が9月7日から水際対策の一部緩和を発表しているが、依然として訪日外国人のビザ免除や個人旅行の解禁をしていない。そのため、外国籍者は常に旅行社が主催する団体旅行の形で移動しなければならない。
前回までは日本国内や中国・韓国へのツアーをパックにした形で訪日団が組まれることが多かったが、それをすると旅行社の手間が大変なことになり、事実上不可能な状況だという。
苦渋の決断をした最大の理由は「航空料金の高
騰」と「大会中にコロナ感染などによって何か起きた場合、主催者としては責任がとれない」ということだ。
高良会長は「26日に県知事宛にメール送りました。私も9月に沖縄県のコロナ感染状況が鎮静化すれば行くかもしれません。ですが、今のままだと難しいかも」と残念そうに語った。
海外来場者の両輪である北米・南米のうち、南米がキャンセルしたことで、海外勢の大会参加におけるオンライン比重が高まりそうだ。