1日、地理統計院(IBGE)が第2四半期の国内総生産(GDP)は前期比で1・2%成長したと発表した。これで4期連続の上昇で、2022年に入ってからの累積は2・5%の上昇となっている。1日付伯字サイトが報じている。
第2四半期のGDPは2兆4千億レアルに達し、第1四半期の2兆2490億レアルを1・2%上回った。これで、2021年第3四半期から4期連続の成長となった。この間の成長幅も0・1%、0・8%、1・1%、1・2%と上昇中だ。
これにより、22年上半期の累積は前期比で2・5%増、前年同期比で3・2%増を記録。過去最高だった2014年第1四半期は0・3%下回ったが、パンデミック前は3%上回り、経済活動の回復ぶりを示している。
第2四半期の成長を支えたのは工業で、前期比で2・2%、前年同期比でも1・9%の上昇を記録した。工業では「電力・ガス・上下水道・ごみ処理」が前期比で3・1%、「建設」が2・7%、「鉱業」が2・2%、「製造業」が1・7%の成長を記録した。ただし、上半期では建設が9・5%、電気やガスなどが9・2%成長した一方、鉱業は3・2%減、製造業も2・1%減だった。
だが、第2四半期のGDP上昇の最大要因は、全体の70%を占めるサービス業の堅調さだ。同部門は前期比で1・3%、昨年同期比では4・5%増と大幅に伸びた。同部門では、「その他のサービス」の前期比で3・3%(上半期は13・1%、以下同)増を始め、「交通・運輸・保管・郵便」が3・0%(10・6%)増、「情報・通信」が2・9%(5・1%)増、「不動産」が0・3%(0・4%)増を記録した。「経営・国防・保健・公共教育」は唯一の0・8%減だったが、上半期では0・4%増だった。上半期では「金融・保険」と「商業」が微減した。
また、家計消費が前期比で2・6%、前年同期比で5・3%増えたことも大きかった。この部門はパンデミックで最も打撃を受けたが、このところの伸びはパンデミック後の回復が順調なことを証明している。同部門は、過去最大だった14年第4四半期も0・9%上回っている。
天候不順や肥料高騰などで不振続きの農業は前期比で0・5%増、前年同期比は5・4%減だった。特に、大豆が12・0%減、米が8・5%減だったことが響いた。
その他は、政府支出0・9%減、投資4・8%増、輸出2・5%減、輸入7・6%増となっている。輸出減少はコモディティ価格の下落などが響いた。
8月29日に中銀が発表した経済動向予測調査「フォーカス」によると、市場は今年のGDP成長予想を2・1%に上方修正した。連邦政府の読みは2・0%増だ。同調査では22年の広範囲消費者物価指数(IPCA)の予想も6・82%を6・70%に下方修正している。
しかし、2023年のGDPに関しては、長引くインフレや経済基本金利の高止まり、国際的なリセッション(景気後退)への懸念などから、0・39%増が0・37%増に下方修正されている。
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