【既報関連】最高裁のエジソン・ファキン判事は5日、選挙前の政治的暴力を抑制するため、ボルソナロ大統領が出した銃規制緩和の大統領令の影響を制限する内容の司法判断を下した。5日付現地サイトが報じている。
ファキン判事の司法判断は、最高裁第2小法廷で行われていた大統領令差し止めに関する審理がヌネス・マルケス判事の見直し要請で1年以上止まっていることと、選挙前の治安維持ために必要との理由で出された。
同判事は、「銃の携行は職業的かつ個人的な理由が証明された場合に限る」とし、銃の取得は「治安維持と国防のため」に限定。個人的な理由での取得は認めないとした。さらに、銃弾所有数も「必要最低限」とした。
ボルソナロ大統領が出した銃規制緩和の大統領令では、俗に「CAC」と呼ばれる収集家(コレシオナドール)、スポーツ射撃家(アチラドール)、狩猟者(カサドール)に対して、最大60丁の火器の購入を可能にしていた。
また、ボルソナロ政権がCACに対する規制を緩和したことで、2018年末と比較した銃の登録数が3倍以上に膨れ上がり、100万丁を超す銃が登録されており、警官や軍兵士らの所持する銃の数さえ超えたことは、先週報じられている。
ファキン判事の判断は、労働者党(PT)とブラジル社会党(PSB)が共同で出したものも含め、3件に及ぶ「ボルソナロ大統領の銃規制緩和は2003年制定の非武装憲章に違反する」との訴状に応えたものだが、統一選の選挙キャンペーンは既に始まっていることと、今年は政治的暴力が従来選挙より起きやすい状況が生じていることも判断の理由にあげられた。
ファキン判事が司法判断を下したことで、銃規制緩和の大統領令の審理はオンラインの全体審理で行われることになる。