8月末の大統領候補者討論会で女性ジャーナリストへの口撃で批判を浴びたボルソナロ大統領が6日、またも女性ジャーナリストに暴言を吐き、物議を醸した。6日付現地サイトが報じている。
今回の件は6日午前中のジョーヴェン・パン局でのインタビュー中に起こった。問題発言は司会を務めたジャーナリスト、アマンダ・クライン氏がボルソナロ氏に、「1990年以来、あなたの一家は107軒の不動産を購入しており、うち51軒を現金で支払っているが」と質問した際に起こった。
この質問に腹を立てた大統領は、「アマンダ。君の夫は俺に投票したんだろ。そんな調子で夫とはうまくやっていけるのか」と言い返した。
アマンダ氏がそれに対して「私の私生活はここでは関係ない」と返すと、「俺のだってないさ」と返答。アマンダ氏がさらに「あなたの場合は大統領という公人だから、答える必要がある」と迫ると、「そういう物言いはばかげている」と一蹴した。
ボルソナロ氏は8月28日にバンデイランテス局で行われた大統領候補者インタビューで、ボルソナロ政権のコロナウイルス対策に批判的な発言を行った女性ジャーナリスト、ヴェラ・マガリャンエス氏に対し「ジャーナリストの恥」と罵倒。これに対し、女性大統領候補のシモーネ・テベテ、ソラヤ・スロニッケ両氏から猛烈に批判されるなど、問題となったばかりだ。
大統領は今年6月にもサンパウロ州地裁で、フォーリャ紙の女性ジャーナリスト、パトリシア・カンポス・メロ氏に対して2020年2月に行った暴言に対し、3万5千レアルの賠償金を支払うようにとの判決を受けている。
ボルソナロ氏が今回の大統領選で苦しんでいる要因の一つは女性票の弱さだ。女性蔑視ともとれる発言は下議時代にもしばしば起きていた。世論調査によると、女性でボルソナロ氏に投票するという人は30%を切っているという。
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