ブラジル東京農大会(東京農業大学校友会ブラジル支部、原島義弘会長)は8月28日、同大関係先亡者を祀る慰霊碑の建立50周年を記念した先亡者慰霊式をサンパウロ市サウーデ区の同会館にて行った。日本から矢嶋俊介同大副学長ら4人が来伯し、在伯会員ら約60人と共に先人の遺徳を偲んだ。
同会は1969年に同大出身移民の佐藤貫一氏が設立し、初代会長を務めた。慰霊碑はグアルーリョス市のサンジューダス・タデウ墓地に建立され、建立50周年を機に、交通の便が良い同会館へ移設した。
式典では、参列者らが慰霊碑に焼香をあげ、校歌を斉唱。挨拶に立った原島会長は先亡者の遺徳を偲び、参列者へ「皆さまのご多幸と健康を願います」と感謝を述べた。閉会後、懇親会が催され、参加者らは親交を深めた。
式典に参加した同大出身で現在はサンパウロ州コロニア・ピニャールにてビワ栽培を行う徳久俊行さん(68歳、1世)は「ブラジルに来た当初、先輩方に助けられた。先輩方がいなかったら、今の自分はない」と先人への感謝を語った。
矢嶋副学長は「先人の方々のご苦労とご活躍に頭が下がります」と語り、現在も続く同大学生のブラジルへの留学事業について「日伯両国での継続的な支援があったからこそ、たくさんの留学生を送り出すことができました。これからも、変わらぬご支援をいただきたい」と述べた。
同会による先亡者慰霊式はコロナ禍により3年ぶりの開催となった。例年、パラグアイ、アルゼンチンからも参加があったが、今年はコロナ禍等の理由により参加は無かった。