県人会記録を映像で残しませんか=元邦字紙記者2人が新サービス

仲島尚さんと小林大祐さん
仲島尚さんと小林大祐さん

 「県人会の記録を映像で残しませんか?」――中央開発株式会社(東京都所在)の小林大祐さん(49歳、新潟県)と株式会社ブリコラージュ(東京都)の仲島尚さん(たかし、50、北海道)が13日に編集部を訪れ、新しいサービスを紹介した。二人とも元邦字紙記者で日系社会に造詣が深いという異色の経歴の持ち主だ。
 小林さんは元ニッケイ新聞記者で2000年代に7年ほど勤務し、その後に現在の中央開発に移り、レシフェやブラジリアに7年ほど駐在。さらにモザンビークでも駐在経験がある国際派。
 仲島さんは学生移住連盟の最後の派遣者として1994年から95年にサンパウロ新聞で勤務した経歴を持つ。その後、現在の会社で主に映像やサイト制作などの仕事に従事している。
 二人はブラジル経験を活かして、静岡県庁の依頼によりブラジル日系人向けPR動画「シズオカ・ノワール」を制作。今年3月に公開して好評を博した。県内の観光地や名物料理などの魅力を織り込んだ探偵ドラマだ。▼前編「失踪篇」(https://youtu.be/kNe9pBN2THg)▼後編は「解決篇」(https://youtu.be/4WwliD-aTmc)
 ドラマ制作は静岡県庁が総務省の「中南米日系社会と国内自治体との連携促進事業」(https://www.soumu.go.jp/main_content/000710293.pdf)に応募して実現した。同事業では県庁に負担はなく、総務省が500万円までの費用を負担してくれる。県人会から県庁などに日系社会との連携促進プロジェクトをお願いし、県庁から総務省に申請すれば話が通りやすいようだ。
 現在、茨城県からの依頼で県の名産品PRビデオも製作中。10月にサンパウロ市のジャパンハウスで開催されるイベントで上映する予定だという。
 この連携促進事業の資金は交通費など様々な費用に使えるが、仲島さんは「活動を映像にしてユーチューブなどに公開すれば、末永く拡散され、広く知られる可能性がある」と映像化に使うことを薦める。
 現状では同事業への申請が少なく、総務省も予算を使い切っていない様子。日本政府が中南米日系社会との提携を促進する費用を出していることを知らない県人会も多いようだ。
 これを機会に、県人会から県庁に同事業の利用を申請し、活動記録を残すほか、交流を活性化させてはどうだろうか。2人は来週まで滞在予定。連絡先はメール(cobayashi.d@gmail.com  carlos@br5.jp)まで。

最新記事