14日、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は新型コロナのパンデミックに関して「終わりが視野に入ってきた」「感染拡大防止対策は要継続」と語ったが、ブラジルでも先週の死者は2020年3月以来の低水準となっており、マスク着用義務を解除する自治体も増えている。
ブラジルの感染状況を見ると、感染学上の第36週(4日~10日)の死者は499人(7日間平均71人)で前週より43・4%減少し、最初の死者確認の翌週である2020年3月29日~4月4日の318人以来の低水準となった。
第36週は休日があり、州や市からの報告が遅れた可能性もあるが、14日現在の死者の7日間平均は69人で、7日から始まった100人未満の状態を保ち、かつ減少しつつある。
第36週の感染者は5万8281人(7日間平均は8326人)で前週より32・7%減少。2021年12月19~25日(感染学上の第51週)の2万2283人などがあるので最低水準とは言えないが、それでも、オミクロン株やその変異株が引き起こした感染の第3波や第4波以降では最低水準だ。
感染者や死者の減少は、14日現在の観察中の患者が全体の0・5%にあたる17万7157人まで減っている事や、リオ市保健局が6日にパンデミックが始まって以来初めて入院患者が1桁となったと発表した事などからも明らかだ。
感染状況改善を受けた防疫対策緩和例は、国外からの旅行者は予防接種証明か搭乗日前日に行った検査での陰性証明のいずれかを提出すれば良くなった事や、サンパウロ州やサンパウロ市が地下鉄やバスの中でのマスク着用義務を解除した事などだ。ただし、サンパウロ州やサンパウロ市は医療機関でのマスク着用義務を継続。交通機関でも着用を推奨している。
また、重症急性呼吸器症候群(SARS)の患者や死者は新型コロナ患者が最多だから、予防接種率向上を図り、マスク着用を続ける事が望ましい。揺り返しを防ぐための感染防止対策継続は、WHOも推奨している。
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