最高裁のエジソン・ファキン判事がボルソナロ大統領の出した銃規制緩和に関する大統領令を規制する司法判断を下したことで、陸軍が銃の認証作業の一部を差し止めた。14~15日付現地紙、サイトが報じている。
ファキン判事は5日、選挙期間中の銃による暴力行為抑制のため、ボルソナロ大統領が2019年に出した、銃の所持や携行に関する規制を大幅に緩和させる大統領令に厳しい制限を加えた。規制対象になったのは、CACと呼ばれる、収集家(コレシオナドール)、スポーツ射撃家(アチラドール)、狩猟家(カサドール)の銃登録などで、CACの人たちが所有できる銃や銃弾の数などにも制限が設けられた。
この司法判断は、銃規制緩和を支持している人たちからの批判の的になり、「この命令で陸軍による銃所持の承認手続きなどが難しくなった」といった不満の声も多数上がっている。また、「銃の所持や携行を規制すれば銃使用をかえって刺激するのでは」と懸念する声もあがっていた。
だが、ボルソナロ大統領が出した規制緩和の大統領令そのものが2003年に公布された非武装憲章に違反するとして、かねてから問題視されてもいた。
陸軍が差し止めたのも、使用規制のある小銃やライフルなどをCACが購入する場合の許可で、「国家の治安に関する目的以外の購入を承認することはできない」との見解を書面で発表している。
陸軍の判断は、最高裁で16日からはじまる、ファキン判事の司法判断に関する全体審理を配慮したものだ。同件はローザ・ウェベル長官が「緊急の審理が必要」と判断した議題の一つで、ファキン判事が下した司法判断が適切かの判断だけでなく、1人あたりの銃や銃弾はどの位が適切かという問題に議論が及ぶ可能性もある。
全体審理はオンライン形式で行われる。最高裁は20日までに審理を終えたいとしているが、見直しによる中断要請が認められれば長引く可能性もある。