《ブラジル》選挙戦過激化による暴力被害に恐怖感広がる=国民の約3分の2が不安に

政治的理由で襲われた車(Twitter)

 選挙運動が終盤を迎える中、国民の約3分の2が「政治的対立が原因で周囲から暴力被害を受けるのでは」と不安に駆られていることが、ダッタフォーリャによる調査の結果わかった。15、16日付現地紙、サイトが報じている。
 これはダッタフォーリャが8月3〜13日に、全国約130市の2100人に行ったアンケートの結果わかった。それによると、「政治的な対立がもとで(政治家や政党の選択によって)暴行されることを恐れているか」との問いには、67・5%が「恐れている」と答えている。また、62・5%が「政党や候補者など、自分の政治的決断をめぐって脅されることに恐れを抱いている」こともわかった。
 政治対立が原因の暴力は、7月にパラナ州で起きた、労働者党(PT)州支部会計がルーラ氏の写真も掲げて誕生パーティを行っていたところにボルソナロ大統領の支持者が乱入し、射殺された事件で注目を集め、緊張感が高まった。それ以降も、ルーラ氏やボルソナロ氏のキャンペーンのステッカーを貼った車の乗客が暴力行為に遭うなどの被害報告が続いており、被害を恐れてキャンペーンを中止する候補者も出てきている。
 このアンケートでも、3・2%にあたる人たちが「政治を理由とした暴力被害にあった」と答えている。
 90%の人が「選挙の勝利者が来年1月1日に大統領に就任するべき」、89・3%の人が「自由で透明性の高い選挙で大統領が選ばれるべき」とし、候補者は選挙結果に従うべきだと考えていることもわかった。
 このアンケートでは選挙に限らない暴力一般に関する質問も行っており、66・4%が「銃を増やすことは安全につながらない」と答えている。また「軍警からの暴力被害を恐れている」と答えた人が2017年調査での59・5%から63・8%に上がり、82%の人が差別による暴力行為から守るために先住民の区画が必要だと考えていることも明らかになった。

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