「白人の魂を持つ黒人」と呼ばれたことで、サンバ界の大御所マルチーニョ・ダ・ヴィラを訴えていたパルマレス財団元会長セルジオ・カマルゴ氏の上告が却下された。15、16日付現地紙、サイトが報じている。
事の発端はマルチーニョが昨年、クルトゥラ局の番組「ローダ・ヴィーヴァ」でパルマレス財団について尋ねられた際、「あの財団は黒人文化保護のために作られたはずなのに、熱烈なボルソナロ大統領派のカマルゴ氏が会長になってから、おかしくなっている」とし、「彼は白人の魂を持った黒人だ。本当は白人になりたいのだろう。自分は白人だと思っていて、黒人に関することを終わらせたいのだろう」と強く批判したことだ。
カマルゴ氏はこれに怒り、マルチーニョに対して2万レアルの賠償金と、クルトゥラ局のインタビューの取り下げを求めた。だが、8月にブラジリア地裁第18法廷がこの訴えを却下した上、今月は連邦直轄区地裁が上告を却下した。
カマルゴ氏はパルマレス財団会長在任中も、「ブラジルの歴史に黒人差別はなかった」と語ったほか、黒人の意識高揚を促す職員らへの不当人事が問題となり、人事権を剥奪されたりしていた。
現在、カマルゴ氏は同財団会長を退任し、サンパウロ州下議選に出馬している。