フォーリャ紙=大統領派サイトがやらせ演出?=インタビュー質問者が暴露

疑惑の2020年4月の動画

 連邦政府とボルソナロ大統領支持派のサイトとの間に、ネットやテレビ用の動画のためにやらせ演出を行わせていた疑惑が、それに携わったという人物の証言で明らかになった。20日付伯字紙が報じている。
 証言を行ったのはベト・ヴィアーナ氏なる人物で、フォーリャ紙に対し、金銭を受け取って、大統領官邸前で大統領支持派のふりをしてボルソナロ大統領に近づき、やらせと取れる質問を行なったという。
 ヴィアーナ氏によると、それを行ったのは2020年4月13日で、同氏が大統領派のサイト「フォコ・ド・ブラジル」に雇われたばかりのことだったという。きっかけはヴィアーナ氏が、同サイト運営者のアンデルソン・アゼヴェド氏から「君は大統領に近づく勇気はあるか」と聞かれ「ある」と答えたことではじまったという。
 ヴィアーナ氏によると、この日、大統領に対して行う質問はアンデルソン氏が携帯電話のメッセージで送ってくるものをただ質問しただけだったという。そのときのメッセージの内容をヴィアーナ氏は証拠としてフォーリャ紙に提示している。
 大統領官邸前に支持者のふりをしてまぎれこんだヴィアーナ氏は、グローボ局の番組「ファンタスチコ」で、当時のルイス・エンリケ・マンデッタ保健相がボルソナロ氏がコロナウイルスの対策を軽視することに対して不満をぶちまけたのを見たかとボルソナロ氏に尋ねた。それに対しボルソナロ氏はひとこと「グローボは見ない」と答えただけだった。
 もっと何かを言うと予想していたヴィアーナ氏は驚いたが、この様子がすぐにネットやテレビで拡散。そこにヴィアーナ氏も映っている。同氏はこの仕事で同サイトからその日のうちに、給与支払いを前倒しする形で1100レアル払われたという。
 この動画が出回った3日後にマンデッタ氏は保健相を解任されている。
 フォーリャ紙はこの件に関して連邦政府とフォコ・ド・ブラジルに質問を行なったが、返答は返っていない。

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