ルーラ元大統領(労働者党・PT)が20日、24日に行われるSBT局の大統領候補者による討論会に出演しないことを決めた。これに対しボルソナロ大統領(自由党・PL)がどういう対応をするか注目される。20、21日付現地紙、サイトが報じている。
今年の大統領候補者の討論会は、国民の8割以上の支持が集中するルーラ、ボルソナロ両氏が出演に難色を示している。そのため、例年なら主要テレビ局で5〜7回行われるテレビ討論会が、8月28日に行われたバンデイランテス局のもの、SBT、グローボの三つに限られていた。
一次投票まで10日を切った時点で行われる残り二つの討論会は注目度が高かったが、ルーラ氏は視聴率2位のSBTの討論会への欠席を表明。投票日3日前に行われる視聴率1位のグローボ1本に絞ることに決めた。
だが、SBT局の番組でも、保守派司会者として知られるラチーニョ氏のバラエティ番組での候補者インタビューには出演する意向を示した。
ルーラ氏はバンデイランテス局の討論会でボルソナロ氏からの汚職に関する質問にうまく答えられず、支持を伸ばせなかった。一方で、自己アピールが成功した3位のシロ・ゴメス氏(民主運動党・PDT)や4位のシモーネ・テベテ氏(民主運動・MDB)は支持率があがった。
また、SBTはボルソナロ氏と相性が良く、過去に何度も独占取材を行っている。また、同局社主シルヴィオ・サントス氏の娘婿のファビオ・ファリア氏を通信相に迎えている。大統領は18日もエリザベス女王の葬儀出席先のイギリスから同局の番組に出演し、ルーラ氏にリードされている状況下でも「自分への投票が6割を超えなければ不正が疑われる」と語り、波紋を呼んでいる。
一部報道によると、ボルソナロ氏はSBTの討論会の出演を行う意向を示しているというが、かねてから対立しているグローボでの討論会に出席するかはまだ微妙だという。