統一選挙の一次投票(10月2日)まで一週間を切った26日、法務省の指揮で有権者や司法当局関係者らの安全確保のための特別計画が始まったと同日付現地サイトが報じた。
一次投票までの特別警備計画には選挙高裁や市警、軍警、連警、連邦道路警察、消防、国防省、ブラジル情報庁、保安局や防災局などが参加。進捗状況はリアルタイムで管理される。
最大の焦点は10月2日の投票日で、連邦直轄区を含む27の連邦自治体では、治安関係者が選挙登記所、投票所、開票所、公道、公共交通機関の駅などでの警備を強化する。
パンフレットの不法配布、票の売買や有権者の違法な輸送といった選挙犯罪、平和的/暴力的なデモ、道路封鎖、脅迫、攻撃など、安全かつ公正な選挙を妨害しうる人為的な行為も特別作戦の対象となる。同作戦の担当者達は、暴風雨や洪水、投票所や開票所での停電なども視野に入れている。
各項目に関連した情報は26日9時以降、3時間毎に、法務省のウエブサイトやSNSがリリースするニュースレターに掲載。特別作戦参加者の動きは、国と州の統合指揮統制センター(CICCNとCICCE)が監視している。
法務省によると、2020年の選挙では700人が逮捕され、未成年者35人の身柄が拘束された。同年に起きた選挙違反9万4300件中、9万3700件ではパンフレットなどを押収。車の押収は394件、火器の押収も111件あった。
偽情報関連は8900件で、機械類を使った大量の情報を流した例が8200件摘発された他、選挙制度に関する偽情報配布が559件あった。
投票当日の宣伝活動や票の売買、有権者の不法輸送などは4600件摘発された。有権者への脅迫や強盗、殺人や殺人未遂、傷害、銃の不法所持は943件、候補者への脅迫、殺人、殺人未遂、傷害は172件起きた。投票所周辺での治安維持のための出動は250件あり、停電や火災、デモなどの緊急事態による出動も起きた。
今年は大統領選で極端な2極化が起き、労働者党(PT)関係者と大統領支持者の抗争や世論調査の調査員への暴行などの政治的暴力が頻発。例年以上の緊張感が漂っている。
★2022年9月17日《ブラジル》選挙戦過激化による暴力被害に恐怖感広がる=国民の約3分の2が不安に
★2022年9月6日《ブラジル》最高裁が銃規制緩和の大統領令制限=選挙前の政治的暴力抑制で
★2022年9月23日《ブラジル》ダッタフォーリャ調査員に殴る蹴るの暴力行為=ボルソナロ派による被害続く