連邦警察が、ボルソナロ大統領やその家族の個人的な支出の支払いをめぐる口座の入金やひきだしに不審な動きがあることを指摘。最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事が大統領側近の情報開示を命じた。26、27日付現地紙、サイトが報じている。
連警によると、不審な金の流れはマウロ・セーザル・バルボーザ・シジ陸軍中佐らの大統領側近が電話で交わした音声並びに文書の会話や写真などで裏付けられるという。
連警は大統領一家やミシェレ大統領夫人と親しい人物への個人的な会計支出をめぐり、不審な金の動きが確認されたとしている。
連警の要請を受け、モラエス判事はここ数週間の間に、シジ氏らの銀行口座の情報などの開示を命じた。同判事がこのような決断に至ったのは、選挙高裁に対するハッキング疑惑に対する捜査の際、シジ氏が捜査内容の漏えいに関与した疑いで捜査を受けており、その際にシジ氏が今回の疑惑にも関与している可能性が浮上してきたためだ。
連警が確認したところによると、シジ氏の携帯電話のメッセージの中には、ボルソナロ夫妻の保健関係の支払いに関するものや、娘ラウラちゃんの面倒を見ているミシェレ氏の伯母への支払いに関することも含まれていたという。それに関連していると疑われる現金による口座への出入金も確認されている。連警は現在、これらの金が公金か否かについて捜査中だ。
大統領の別の側近は「これらの金の出処はボルソナロ氏個人の金」「シジは口座から口座へ金を動かしたのではなく、大統領の個人口座から金を引き出して入金したにすぎない」などとして公金利用を否定。連邦政府も公金使用を否定した。
シジ氏は選挙高裁のハッキング疑惑だけでなく、最高裁のデジタル・ミリシア(ネット犯罪者)捜査の対象にもなっている。
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