国際協力機構(JICA)ブラジル事務所(江口雅之所長)は8日、サンパウロ市の同事務所会議室にて海外協力隊員着任式を行った。着任式には派遣隊員5人、JICA、派遣先関係者ら全11人が参加した。
今回派遣されたのは、春田かほるさん(派遣先:ブラジリア学園)、上竹明夫さん(リオ・デ・ジャネイロ州日伯文化体育連盟)、矢澤勇磨さん(サンタクルス日本病院)、大西郁子さん(サンタクルス日本病院)、塩﨑祐加里さん(トトロ保育園)。5人とも今回が初めての来伯となる。
挨拶に立った江口所長は、「(コロナ禍による中断を経て)再び各団体へJICA海外協力隊員を派遣できることを嬉しく思います」と話し、配属先団体への感謝と隊員らへ挑戦する気持ちをもって活動に励んでほしいと激励の言葉を贈った。
春田さんはブラジリア学園に2年間派遣され、日本式小学校教育や日本文化の紹介を行う。「日系の子たちでも、日本文化と疎遠になっている子もいます。日本には自然を大切にし、食事を大事にするなど素敵な文化が沢山あることを伝えたいです」と話した。
上竹さんはリオ州日伯文化体育連盟で2年間、教師向けに日本語教育指導の研修等を行う。当初は2年半前に派遣される予定だったがコロナ禍で延期になっていた。「リオでの移動は場所によっては危険ということで、現地の人と相談をしながらいろいろな学校を回って日本語教育についての指導を行っていきたいと思います」と語った。
矢澤さんはサンタクルス日本病院で2年間、病院運営管理に携わる。「病院で日本式のおもてなしを伝えたいです。将来ブラジルで学んだことを活かしていきたいです」と目標を語った。
大西さんは同病院で2年間、栄養士として活動する。「少しでもブラジルの方々が健康になれるようにお手伝いしていきたいと思っています」と意気込んだ。
塩﨑さんはトトロ保育園で1年1カ月間、日本式幼児教育や日本文化の紹介を行う。塩﨑さんは当初、モンゴル派遣予定だったが、コロナ禍により同国への派遣が叶わず、ブラジル派遣となった。「言語や文化が違い不安なことはありますが、たくさん学び、活動に励みたいと思います」と語った。
着任式に参加したレナト・オオヒ同病院接客対応部部長は「サンタクルス日本病院は日本人移民によって作られました。運営ではおもてなしの精神など日本文化を大切にしています。JICA派遣によって我々の活動を日本人の視点から見てもらい、日伯間の文化ギャップを埋め、病院内の対応をさらに改善していきたいです」と期待をよせた。