《ブラジル》選挙高裁が銃と弾の携行禁止期間を延長=選挙前日から投票の翌日まで

投票場のイメージ(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 【既報関連】選挙高裁は29日、10月2日の統一選一次投票日前後3日間の銃や銃弾の携行を全国的に禁じることを満場一致で決めた。29日付伯字サイトが報じている。
 選挙高裁が携行禁止の対象としたのは、収集家(コレシオナドール)、スポーツ射撃家(アチラドール)、狩猟家(カサドール)のいわゆる「CAC」と呼ばれる人たちの銃や銃弾で、選挙前日の10月1日、投票日の2日、選挙翌日の3日の3日間だ。守らない場合は銃の不法所持として逮捕されることになる。
 「この3日間は口径の大きな銃の持ち運びは一切正当化されないことになる」と選挙高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス長官は語っている。
 選挙高裁は8月30日に既に、「選挙裁判所によって許可された治安関係者以外は、9月30日から10月3日までの4日間は投票場や指定された施設から100メートル以内での銃携行を認めない」として、投票場への銃の携行を禁止する決定を行っていたが、今回の決定で投票場以外の場所での携行も難しくなった。
 銃所持に関しては5日に最高裁のエジソン・ファキン判事が「防衛・治安を目的とする場合にしか認めない」としてボルソナロ大統領が2019年に出した銃規制緩和の大統領令を強く規制。この決定は大統領による規制緩和で銃取得の恩恵を受けていたCACの人たちの不満を高めるものとなり、大統領をも怒らせた。だが、その後に行われた最高裁の全体審理でも判事投票9対2でファキン判事の司法判断が支持されている。
 今年の大統領選は左派のルーラ氏と極右のボルソナロ氏との間で二極化していることから、支持者たちの間で早くから対立が加速。支持者同士の対立での射殺事件や暴力事件が全国で相次いでおり、投票日前後の治安は有権者たちの不安要素の一つとなっていた。

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