《ブラジル》選挙高裁=安全・透明な選挙を約束=諸国からの監視団を前に=自治体も投票権行使支援

セミナーでの上院議長、選挙高裁長官、最高裁長官((左から、Rosinei Coutinho/SCO/STF)

 9月29日、国際選挙監視団対象のセミナーが開かれ、アレッシャンドレ・デ・モラエス選挙高裁長官が安全で信頼できる選挙を保証。他の参加者も電子投票や選挙裁判所への信頼を表明したと9月29、30日付現地紙、サイトが報じた。
 モラエス氏は、「民主主義が安全かつ信頼できる方法で行使される事を保証する」「真の民主主義の維持には投票権行使への安全確保が必要」と説いた。
 ローザ・ウエベル最高裁長官は、「民主主義は対話と寛容、平和的共存が前提」で規制順守が必要とし、正当性が争われていない多数派が少数派の意見を抑圧する事や、憲法で保障された権利を剥奪する事は許されないと主張。電子投票の信憑性も擁護した。
 電子投票の信憑性はロドリゴ・パシェッコ上院議長も擁護。同議長は、秩序ある方法での選挙実現には警察や軍などの出動が必要となり得る事も認めた。
 セミナーには、スペインやフランス、ロシア、ポルトガルなどからの選挙監視団員の他、パウロ・ゴネット選挙検察副長官やベト・シモネッチ・ブラジル弁護士会会長らも参加した。
 監視団側からは汎米選挙機関連合のロレンツォ・コルドヴァ代表が挨拶に立ち、民主主義は世界的資産で、ブラジルの選挙は他の民主主義国家にとっても重要と強調。国際監視団には「国民の信頼を固めるという政治的機能があり、私達はそのためにここにいる」とも語った。
 今年の選挙は二極化が進み、政治的暴力も頻発。選挙地域裁の投票機封印作業中に来て「大統領が一次当選しなければ何か細工した証拠。その時は覚悟しておけ」と脅した例もある。1~3日は民間人の銃携行を全面禁止した事や特別警戒態勢準備、2日は酒類販売禁止法を適用する州があるのも安全対策だ。
 投票権行使には有権者の足の確保も不可欠で、リオ市は投票日にBTRを含むバスを無料化。多くの市では公共交通機関も平日か土曜並みに運行される。有権者もアプリやサイト、電話などで投票所を調べ、選挙人証を整える、候補者の番号を見直すなどが必要だ。
 なお、不正を疑う人物の出現や混乱回避のため、開票には全選挙高裁判事と上院議長、連邦会計検査院(TCU)長官が立ち会う事になっている。

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