今年の統一選挙では性転換した女性議員が下議2人、州議員に3人も当選し、計5人というブラジルLGBT史上初のことが起きた。3、4日付現地紙、サイトが報じている。
下議に当選したのはエリカ・ヒルトン氏(社会主義自由党・PSOL)とドゥーダ・サラベルチ氏(民主労働党・PDT)の2人。両氏は2020年に共に「ブラジル史上初の性転換市議」となっており、エリカ氏がサンパウロ市、ドゥーダ氏がベロオリゾンテで任期を務めていたが、今回の選挙で下議選に臨み、当選を果たした。性転換を行った人物が下議になったのはブラジル史上初めてのことだ。
2人とも得票数も多く、エリカ氏は25・6万票を獲得してサンパウロ州9位、全国17位で、ドゥーダ氏も20・8万票で地元3位、全国39位で当選した。
エリカ氏は当選後、SNSを通じ、「性転換女性で、しかも黒人。そんな私が連邦議員になれた。これも皆様のおかげ」と喜びを伝えており、ドゥーダ氏も得票数の多さに感謝を示した。
市議在職中には両氏共に同性愛者差別の人たちから殺人予告などの脅迫の被害を受けており、偏見と戦いながらの勝利でもあった。
また、今回の選挙では3人の性転換州議も誕生している。セルジッペ州ではリンダ・ブラジル氏(PSOL)、リオ州ではダニ・バルビ氏(ブラジル共産党・PCDoB)、サンパウロ州ではカロリナ・イアラ氏(PSOL)が当選を果たした。連邦議員、州議の5人全員が左派政党に属している。
また、同性愛などLGBT全体に枠を広げれば議員当選者は18人を数えている。同性愛者では連邦直轄区のファビオ・フェリックス氏(PSOL)が、区議選で史上最多の5万1792票を獲得して当選し、話題となっている。
リオ・グランデ・ド・スル州知事選の決選投票に進んだエドゥアルド・レイテ氏(民主社会党・PSDB)が当選すると、当選者はさらに1人増える。
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