第3回サンパウロ台湾映画祭開幕=サンパウロ大学で14日まで

第3回サンパウロ台湾映画祭の開幕式の様子
第3回サンパウロ台湾映画祭の開幕式の様子

 台湾文化省支援による「第3回サンパウロ台湾映画祭」が9月26日開幕し、サンパウロ市ブタンタン区のサンパウロ大学講堂で開幕式が行われた。映画祭では、同大学施設CINUSP(Rua do Anfiteatro,109)で毎日午後4時と7時に台湾映画の上映を行う。開催期間は10月14日まで。入場無料。
 同映画祭の運営はサンパウロ台北経済文化事務所(馮光中所長)が監督した。同事務所は今年下半期から同大学での活動を活発化させており、9月上旬には同大学工学部学生らと台湾企業関係者の交流イベントを実施。台湾はコロナ禍後の国際戦略として、ブラジルとの関係をより強化しようとしている。
 開幕式には、サンパウロ大学副学長のマルリ・クアドロス・レイテ氏、サンパウロ映画センター所長のエドゥアルド・モレッティン氏、ブラジル海外華僑慈善基金会会長の劉国華夫妻、在サンパウロドイツ領事館のサイモン・プレカー領事らのほか、300人以上が参加した。
 挨拶に立った馮所長はパンデミックの影響で映画祭の開催が2年延期されていたことに触れ、「多くの方々の協力を得て無事に開幕式を迎えられたことに感謝します。映画祭を通じて、台湾の豊かな映画文化をより深く理解していただけることを願っています」と述べた。

第3回サンパウロ台湾映画祭の様子2
第3回サンパウロ台湾映画祭の様子2

 馮所長による記念講演「台湾:ルーツと地平線」の後、2019年に制作された台湾映画『灼人秘密』が上映された。
 文化交流会も催され、台湾の文化と技術紹介が行われた。会場には小豆とクリームを使用した台湾風のお菓子も用意され、参加者から好評を博した。華僑協会ブラジル支部会長の謝国斌氏率いる伝統芸能団が龍舞を披露した。
 映画祭で上映されるのは15本の長編映画。映画はそれぞれ、「伝統と現代」「男女平等」「台湾原住民」のいずれかのテーマを持つ。開幕式で上映された『灼人秘密』は、2017年に米国から広がったセクハラや性的暴行などの性犯罪被害体験を告白・共有する「Me Too運動」に触発されて制作された作品。台湾映画界を舞台に主役の座を射止めたものの精神的に追い詰められる女優を描いた心理サスペンスだ。

最新記事