《ブラジル》法相が調査会社捜査を要請=選挙の大統領陣営予想値大外れで

トーレス法相(Thomaz Silva/Agencia Brasil)

 アンデルソン・トーレス法相が、大統領選に関する世論調査機関の予想が当たらなかったとして、連邦警察に捜査を願い出た。上院でも保守派を中心に同様の動きがあると、4~5日付現地紙、サイトが報じている。
 トーレス法相は、この捜査願いは「いくつかの世論調査機関が恣意的な行動をとったと指摘する声に応えたものだ」としている。
 2日に行われた大統領選一次投票に関しては、世論調査の予想が大幅にはずれ、ボルソナロ大統領側の人々からの批判が相次いでいる。直前の世論調査では、ダッタフォーリャがルーラ氏の50%に対してボルソナロ氏が36%、Ipecも51%対37%だった。
 だが、実際の結果は48・43%対43・20%で、ルーラ氏は世論調査機関が言う「2~3%の誤差の範囲内」だったが、ボルソナロ氏の数字は大幅に外れていた。
 世論調査機関の予想が外れたことに対する連邦政府関係者の怒りはおさまっておらず、ファビオ・ファリア通信相は「世論調査機関をボイコットしろ」と主張。シロ・ノゲイラ官房長官も外れた誤差の大きさを指摘し、抗議している。
 また、上院でもマルコス・ド・ヴァル上議(ポデモス)が世論調査機関に対する議会調査委員会(CPI)の設置を画策中で、4日現在で16人の署名を集めている。開設に必要な署名数は27だ。
 こうした動きに対して、ダッタフォーリャのルシアナ・チョン主任は、「世論調査は予言ではない。各世論調査機関には各自の調査方法がある」とコメント。Ipecも「その時々の世間の状況を報告しているに過ぎず、選挙当日の結果と同じになるわけではない」と強く反論している。
 フォーリャ紙の弁護士のルイス・フランシスコ・デ・カルヴァーリョ・フィーリョ氏は、「捜査するといったところで、何の罪状に対するものなのか、あてはまるものが思いつかない」として、連邦政府の動きに疑問を呈している。

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