台湾映画祭、リ区で15日から=日本統治時代テーマの作品も

台湾映画上映祭の案内
台湾映画上映祭の案内

 ブラジル淡江大學校友会主催の台湾映画上映祭が10月15~16日、サンパウロ市リベルダーデ地区のハッカ・プラザ(Rua São Joaquim, 460)で開催される。入場無料。
 サンパウロ台北経済文化事務所の蔡正文副領事によれば、「今回上映される3本の映画の内2本は、戦前の日本の台湾統治時代を舞台とした物語です。ポルトガル語字幕ですが、日本語での会話も多いので、ブラジル在住の日本人や日系人の皆様にもぜひお越しいただければと願っています」と来場を呼び掛けた。
 上映祭は15日午後2時に開幕し、午後3時から『聽見歌再唱(日本語名:僕たちの歌をもう一度)』(2021年)が上映される。本作は、台湾の原住民の子ども達の合唱団と、その指揮をとった校長の実話を基に制作されたドキュメンタリー映画で、昨年の台湾で大きな注目を集めた作品の一つだ。
 16日午前10時からの『海角七號日本語名:海角七号 君想う、国境の南』(2008年)と午後2時からの『KANO(日本語名:KANO 1931 海の向こうの甲子園)』(2014年)は、戦前の日本の台湾統治時代を舞台とした作品で、登場人物が日本語で会話する場面が多い。特に後者のセリフの多くは日本語で、一部に台湾語、客家語、原住民語が使われている。
 『海角七號日本語名:海角七号 君想う、国境の南』は、低迷を続けていた台湾映画界で、例外的な興行収入を記録し、米国映画『タイタニック』に次いで台湾歴代映画興行成績のランキングで2位になったロマンス映画。
 物語は1940年代、台湾に赴任していた日本人教師が、台湾人の教え子と恋に落ちるところから始まる。日本人教師は終戦を迎えると、駆け落ちまで約束した彼女を台湾に残し、日本に引揚げてしまう。7日間の航海中、彼女への恋文を毎日書いたが、生涯投函することはなかった。
 それから60年の時が経ち、主人公はミュージシャンの夢破れ郵便配達の仕事に就いている台湾の青年へと移る。青年は仕事中、件の日本人教師の娘が父の代わりに台湾へ送ってきた恋文の封筒を見つける。そしてそれと同時に、参加した音楽イベントで、偶然出会った日本人女性マネージャーと恋に落ちる。日本人教師の届かなかった恋と、現代の2人の男女の恋が物語の中で錯綜していく。
 『KANO』の物語は1929年、のんびりした雰囲気の嘉義農林学校(嘉農)野球部に日本人監督が赴任し、猛特訓によって甲子園出場への夢と闘争心が芽生え、見事出場を果たすというストーリーだ。

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