サンパウロ州海岸部のイタニャエン市で4日、ルーラ氏を支持している男性がボルソナロ氏を支持していた友人を殺害するという事件が起きたと5~6日付G1サイトなどが報じた。
警察によると、事件が起きたのは4日夕方で、殺害されたのはジョゼ・ロベルト・ゴメス・メンデス氏(52)だ。
逮捕されたルイス・アントニオ・フェレイラ・ダ・シルヴァ容疑者(42)によると、二人は4年前から同居しており、4日も昼食を共にしていた。
だが、支持政党の違いがもとで口論となり、メンデス氏が「ペチスタ(労働者党員または同党支持者)は皆、泥棒だ」と言ったため、「お前が食べているのはペチスタが買った物だぞ」と言い返したという。
すると、メンデス氏が腹を立て、鍋を投げつけてきた上に包丁を持って襲いかかって来たため、取っ組み合いとなり、凶器を奪ったシルヴァ容疑者が被害者に切りつけ、刺したという。
しかし、被害者がボルソナロ氏の顔写真の入ったシャツを着ていた事や殺害に至った理由、顔や背中、首筋などを計8カ所刺されていた事などから、警察は正当防衛の範囲を超えていると判断。殺人の現行犯として逮捕・連行後、ペルイベ市の公立刑務所に送った。
イタニャエン市役所は事件後、二人は共に感情的になり、頭に血が上った状態だったとし、政治的な理由で起きた犯罪であるかは判断できないとする声明を出した。
警察はシルヴァ容疑者が使った凶器を押収しており、殺人罪での身柄拘束延長を申請。裁判所も現行犯逮捕ではない、正式な逮捕令状を出し、より詳細な捜査を命じた。
警察によると、シルヴァ容疑者は犯行を認め、後悔の念を示しているという。
今年の統一選は大統領選の上位候補が左派と極右であるため、例年以上に二極化し、政治的暴力が頻発している。