《ブラジル》髄膜炎がサンパウロ市で流行中=全国では死者702人にも=予防接種率低下の影響か

髄膜炎を引き起こす細菌の顕微鏡写真(Reprodução)

 【既報関連】サンパウロ市で髄膜炎(Meningite)が流行中で、患者58人、死者10人と報告される中、全国の9月までの患者は5821人、死者は702人と6~7日付現地紙、サイトが報じた。21年の死者は793人、20年の死者は442人だった。
 サンパウロ市での流行地区はジャルジン・サンルイス、パリ、ヴィラ・フォルモーザ/アリカンドゥーヴァだが、最後の死者は3地区以外の地区在住者だった。
 髄膜炎の原因は細菌やウイルス、真菌、寄生虫で、インフルエンザと混同され得る。サンパウロ市の患者は細菌性で、予防接種や濃厚接触者への投薬なども行われているが、患者は他市でも発生中だ。
 サンパウロ州ではマリリア、ソロカバ、ジュンジアイーなど、数十市で患者や死者が発生しており、マリリアでは4人が死亡。ソロカバでは39人の患者中5人が亡くなった。ジュンジアイーでは刑務所で患者が発生し、週末の収監者訪問が禁じられた。州北部ではアララクアラなど最低6市で細菌性髄膜炎の患者が発生しており、アララ市ではウイルス性患者も6人出ている。
 髄膜炎患者や死者の増加は他州でも起きており、バイア州では105人の患者中43人が死亡。昨年の死者は21人だから既に倍増以上だ。エスピリトサント州では158人が罹患し、41人が死亡。昨年の患者は83人、死者は19人だった。ミナス州は患者468人、死者71人で、昨年の459人と51人を超えている。
 リオ州は8月末現在の患者が28人、死者が7人だが、乳児の予防接種率は60%で、状況悪化の可能性がある。患者8人、死者0のペルナンブコ州も、乳児の接種率は52%で、懸念されている。
 予防接種実施率低下はコロナ禍前から起きており、コロナ禍で悪化。国の予防接種計画での髄膜炎の接種時期は3カ月と5カ月、12カ月で、来年6月までは11~14歳の接種も推奨中だ。
 予防接種キャンペーンの成果は目標の90~95%に程遠いため、期間を延長した自治体も多い。接種率低下で復活や増加が懸念されている病気にはポリオや麻疹(はしか)も含まれており、6日には、パラー州の3歳児が麻痺症状を起こして、ポリオと見られていると報じられた。

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