《ブラジル》ダマレス氏=幼児への性的虐待告発=発言の真偽に疑問続出

ダマレス氏(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)

 ボルソナロ政権で人権相を務めたダマレス・アウヴェス氏が話したパラー州での幼児への性的虐待に関し、弁護士たちが、その疑惑が実在するものなのか、最高裁や連邦検察庁に捜査を求めている。11日付現地紙、サイトが報じている。
 ダマレス氏が行ったとされる発言は、8日にゴイアス州ゴイアニアの福音派の教会での礼拝でのものだ。ダマレス氏はここで、「パラー州マラジョー島で、3歳から4歳の子供たちに対する性的虐待が行われている」と語った。マラジョー島はパラー州北部、アマゾン川河口に浮かぶ巨大な島だ。
 ダマレス氏によると、「子供たちはオーラル・セックスを行わせるために歯を抜かれており、アナル・セックスを行うのに邪魔にならないよう、粥状のものを食べさせられている」という。「この問題にボルソナロ大統領は立ち向かおうとしている。そのような方に、マスコミや最高裁や連邦議会が刃向かっているのは地獄だ。これは政治的な戦争ではない。霊的な戦争だ」と聴衆を煽っている。
 この言動は大統領長男のフラヴィオ上議がSNS上で拡散したことで知られることとなった。ダマレス氏は、「ブラジルでは生後間もない赤ちゃんの強姦件数も上がっている」とも語っているが、問題のビデオは彼女の公式アカウントには投稿されていない。
 この発言後、弁護士団体などが、こうした事実が実際に存在するのかをめぐり、最高裁や連邦検察庁に対して捜査を求めている。弁護士団体「プレロガチヴァス」のマルコ・アウレーリオ・デ・カルヴァーリョ代表は「仮にこの発言が真実でないとしたら大問題だ」と語っている。
 ダマレス氏も同件に関する見解を求められたが、10日に公表された動画では、2日に左派の人物から殺害予告を受けたことに対する憤りを語るのみで、問題となった発言には一切言及しなかった。
 ダマレス氏は2日に行われた上議選で連邦直轄区から出馬して当選している。

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