在サンパウロ台北経済文化事務所(馮光中所長)は6日、「中華民国国慶日111年記念祝賀会」をサンパウロ市リベルダーデ区のハッカプラザで開催した。台湾外交使節、華僑団体代表者をはじめ、ブラジル人政治家や日系社会などの各界からも来賓を招き、約250人で晴れの日を祝った。
「中華民国国慶日」は、中華民国の成立宣言が行われるきっかけとなった、清朝での共和革命「辛亥革命」の発端「武昌起義(1911年10月10日)」を記念した台湾の国家記念日。
式典では、ブラジルと台湾の国歌斉唱の後、台湾の置かれている国際的立場や文化を紹介するビデオが流された。開会挨拶に立った馮所長は「台湾が新型コロナ対策をうまく行えたのは、経済と技術の基盤があったから。台湾は今後も民主主義の価値を共有する国々と協力し、世界の発展に貢献していきます」と語った。
来賓挨拶では、ルイス・フィリップ・デ・オルレアン・ブラガンサ下院議員が登壇し、「台湾とブラジルの産業は非常に良い補完関係となっています。また、当地台湾社会は、ブラジルの恵まれない人々を支援するために多大な努力を払ってくれています。台湾とブラジルの人々が今後も関係を深めていくことを望んでいます」と挨拶。中国と台湾の外交問題にも言及し、「台湾人だけが自分の運命を決めることができる」とした上で、「ブラジルにとって、アジア情勢は決して外の世界の話ではない」と述べた。ブラガンサ下院議員は、ポルトガル王室の血を引き、日系人女性と結婚している。
カルラ・ザンベリ下院議員の父親ジョアン・エリオ・ザンベリ氏も登壇し、祝辞を述べた。カルラ下議は自由党所属で、先日の選挙で2番目に高い得票数で再選した人物。
サンベルナルド・ド・カンポ市の経済開発・労働・観光事務局長の南洋行氏は「台湾はブラジルにとって力強いパートナーです」と語り、晴れの日を祝った。
式典後、有名中華料理店「チャイナ・レイク」の料理が振舞われ、来場者は歓談のひと時を過ごした。会場には台湾原産のバナナの木が展示され、デザートのフルーツとしても供された。2人のバイオリニストが台湾の民謡などを演奏し、招待者は温かな雰囲気に包まれた。