《ブラジル》イグアスの滝の水量が通常の11倍に=大雨で展望台への通路を一時封鎖

増水したイグアスの滝の水の様子(EDI EMERSON/CATARATAS DO IGUAÇU S.A.)

 ブラジル南部で大雨や大風の被害も出ている中、パラナ州西部でアルゼンチンと国境を接するイグアス国立公園にあるイグアスの滝の水量が通常の11倍にあたる1650万リットル/秒に増え、展望台への通路が一時的に封鎖されたと13日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
 滝の水量が1650万リットル/秒に達したのは13日だ。14日からはイグアス川の水量は減り始めると見られているが、滝の水量は当面、通常を大きく上回る状態が続く見込みだ。
 このため、公園の管理者は「ガルガンタ・ド・ディアボ(悪魔の喉笛の意)」として知られる展望台につながる通路を一時的に封鎖した。この通路は普段でも滝の水しぶきをかぶるが、増水で通路自体が水をかぶる状態になっているため、事故回避のためにとられた安全策だ。

増水で大水をかぶる展望台への通路(13日付G1サイトの記事の一部)

 ただし、それ以外の展望台は開放されており、世界有数の水量を誇る滝の景観を楽しむ事ができる。
 なお、公園の管理者によると、新型コロナの感染状況が落ち着いてきた事で観光客が戻り始め、13日までの訪問客は100万人を超えた。観光客は142カ国から来ているが、訪問者数はまだ、パンデミック前の2019年に記録した平均値の70%程度だという。2019年の訪問客数は年間で200万人を超えていた。
 イグアス国立公園を訪問する場合は、公式サイト[www.cataratasdoiguacu.com.br/ingressos]で希望日と時間帯を指定し、入場券を購入する必要がある。入場券の数は限られているため、公園側は十分なゆとりを見て購入する事を勧めている。
 なお、パラナ州の電力会社Copelによると、イグアス川流域では10日以降、強い雨が続いており、同川沿いの水力発電所6カ所のダムはいずれも満杯に近い状態となっているという。同州西部と南西部では24市で洪水や濁流による被害も出ている。

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