パウリスタ剣道連盟(須合ジョニー会長)は15日午後7時、サンパウロ市リベルダーデ区のブラジル日本文化福祉協会ビル貴賓室にて創立40周年記念式典を開催した。来賓および同連盟関係者81人が集まり、今後のブラジルでの剣道の普及と発展を祈願した。
式典では、日伯両国歌を斉唱した後、須合会長が挨拶に立ち、「パウリスタ剣道連盟は28支部の地道な活動によって成り立っています。パンデミックに入ってからブラジルの剣道人口は15パーセント減りましたが、道場では一人や二人の先生だけでも頑張って練習を続けてきました。本日は先生の日です。パンデミックにもひるまず教えてこられた先生方に敬意を表します」と述べた。
須合会長によれば、サンパウロ州の剣道人口は約500人で、ブラジル全体では約800人、登録されていない生徒を含めると約1000人にのぼる。子供の生徒数は約100人で、将来の普及には、子供の生徒数を増やすことに力を入れる必要があると考えているという。
来賓として出席した桑名良輔在サンパウロ総領事は、「1908年の最初の公式日本人移民を乗せた笠戸丸には日本の警察官がいて、船上でも剣道の試合を行っていたとのことです。日本人移民とともに長年にわたって、剣道の技術だけでなく、忍耐や誠実といった日本的な精神をパウリスタ剣道連盟の皆様が広めてくださっています。今後、総領事館としても皆様とともに日本文化の普及に努力して参ります」と祝辞を述べた。
国際協力機構(JICA)は2016年からブラジル剣道連盟を通じて37人のボランティアをパウリスタ剣道連盟に派遣している。長期ボランティアは2人、短期ボランティアは35人で、剣道の伝承と地域社会における日本文化の定着を主な目的として、ブラジル各地でワークショップを開催してきた。年明けにも新たなボランティアが派遣される。
江口雅之JICAブラジル事務所所長は、「パウリスタ剣道連盟とブラジル剣道連盟の今後のさらなる繁栄と、ブラジルと日本の文化的、スポーツ的な絆の強化を願っています」と語った。
パウリスタ剣道連盟元会長3人に感謝状が贈られた。表彰されたのは、児島修徳氏(1998―2006)、コンスタンチーノ・メシニス氏(2006―2011)、大塚ウィルソン氏(2015―2017)。
蛯原忠男ブラジル剣道連盟会長は「パウリスタ剣道連盟という基盤があるからこそ、ブラジル剣道連盟も存続することができています」と大きく感謝の意を示した。