【既報関連】ボルソナロ大統領は18日、ミシェレ夫人を伴い、14日に行ったベネズエラ人の少女に対する言動に関して謝罪を行った。その一方、ルーラ氏は同日出演したポッドキャストで、「ボルソナロ氏には小児性愛者的な心情があった」と発言して挑発した。18、19日付伯字紙、サイトが報じている。
ボルソナロ氏が14日にユーチューブ上の生放送で行った、「性的好奇心を抱く」の意味でも使われる「pintou um clima」(良い雰囲気になる)という言葉に関しては、16日に選挙高裁がルーラ陣営に対し「攻撃材料にしないように」という命令も下していた。
だが、17日以降になってもSNSでの話題や報道が収まることはなかった。そのため、ボルソナロ陣営はこの問題が決選投票で致命的になるのを恐れている。とりわけ、その不安は宗教票にあった。一次投票以降、ボルソナロ氏にはフリーメイソンのイベントに参加したことや、ノッサ・セニョーラ・アパレシーダの日における聖母大聖堂での蛮行など、カトリックや福音派の機嫌を損ねかねない事態が続いているためだ。
そのため、大統領は18日、この発言に対する謝罪声明を行った。大統領は、連邦直轄区サンセバスチャンに住むベネズエラ難民の14〜15歳の少女たちが「売春をするために身だしなみを整えている」と発言したことを詫びた。
大統領は「売春をしているのではないかという疑問や心配があったために出た言葉だ。ダマレス・アウヴェス前人権相が確認して、彼女たちが普通の労働者であることがわかった」と語り、ミシェレ夫人もその見解を強調した。
ミシェレ夫人とダマレス氏は17日、サンセバスチャンのベネズエラ難民地区に出向き、大統領の発言の元となった少女たちと面会した。ミシェレ夫人らは問題発言の直後から面会を希望していたが、少女たちやその家族が難色を示していた。この面会後も、少女たちの中からは大統領を擁護する動きは起こらなかった。
ボルソナロ氏はこれまでも繰り返し、物議をかもす発言を行ってきたが、このような謝罪声明を出すことは極めて異例なことだ。
だが、ルーラ陣営はボルソナロ氏に反論した。ルーラ氏の妻のジャンジャ氏は18日、ボルソナロ氏が今年の9月12日に別のポッドキャストでもほぼ同じ発言をしていたのを発掘し、SNSで拡散した。ボルソナロ氏はそこで、「難民施設をバイクで通り過ぎた際、14、15歳の美しい子供たちを見かけ、思わずヘルメットを取ってバイクを降りた」「15人ほどの美しい少女たちが、身なりを整えていた。何のためか? (売春で)生計をたてるためだ」と語っていた。
ルーラ氏は18日夜のポッドキャスト「フロウ」に生出演し、ボルソナロ氏の今回の件について尋ねられた際、100万人以上を記録したリスナーたちの前で、「やはり小児性愛者的な態度をとったのは事実だろう」との見解を語っていた。