【既報関連】アレシャンドレ・デ・モラエス選挙高裁長官が18日、選挙ハラスメントを減らすためにも即座に罰すべきとの見解を再表明したと同日付現地サイトが報じた。
この見解は同日の同裁審理で表明された。同長官は審理前、選挙検察や労働検察の代表との会合で、雇用主が従業員に特定候補への投票を強要したりする選挙ハラスメントについて話し合っていた。
労働検察が12日現在で受け取っていた選挙ハラスメントの告発は169件で、選挙高裁も13日に取り組み強化の方針を明らかにしていたが、告発は増える一方だ。18日の報道によると、一次投票前の選挙ハラスメント告発は52件(45件との報道あり)だったが、一次投票後の告発は18日現在で447件に急増している。
18日現在の告発上位5州はミナス州70件、パラナ州64件、サンタカタリーナ州54件、リオ・グランデ・ド・スル州53件、サンパウロ州46件だ。
選挙ハラスメントの内容は、特定候補に投票したらボーナスなどの金銭的な見返りを約束するものや指定した候補に投票しないと解雇するというもの、特定候補の名前や写真入りの服着用や宣伝行為の強要などがあり、特定の候補者が当選しなければ工場を閉鎖するとするものや注文を減らす、従業員数を減らすといった脅迫もあった。選挙ハラスメントは労働検察のサイト<mpt.mp.br>やアプリPardalなどで告発できる。
最新の告発例は、バイア州の農業企業家がブラジャーに携帯電話を隠して投票所に行って投票する様子を録画させたもので、録画しなかった従業員や指定した候補に投票しなかった従業員は解雇された。この企業家は解雇取り消しを求める従業員には決選投票時の録画提示を再雇用の条件とした他、同州西部のスーパー店主達にも圧力をかけ、従業員達を脅して特定候補への投票を強要したり解雇させたりしていた。
同州では別の農業企業家も「ルーラ氏に投票した従業員は容赦なく解雇せよ」と農家などに命じていた件で労働検察との合意を交わし、地域のラジオで選挙ハラスメントを行ったと告白している。
今年は選挙の二極化で選挙ハラスメントが頻発しており、2018年の212件の倍以上になっている。