19日に発表されたダッタフォーリャの大統領選世論調査によると、ボルソナロ大統領(自由党・PL)がルーラ元大統領(労働者党・PT)との差を詰めており、決選投票まで1週間余りとなったこの時期に緊迫感がさらに増してきている。ボルソナロ大統領追い上げの背景には、社会保障金「アウシリオ・ブラジル」の前払い効果があると分析するメディアもある。19、20日付現地紙、サイトが報じている。
ダッタフォーリャのアンケート調査は、17〜19日に全国181市、2912人を対象に行われた。ルーラ氏はリードを保ったが、投票率は10日、14日発表分と同じ49%。それに対し、ボルソナロ氏は44%から45%に上げた。有効得票ではルーラ氏52%、ボルソナロ氏48%で、前回、前々回の53%対47%よりも縮小。上下2%の誤差を考えると実質引き分けだ。
今回の調査では「誰に投票するかは決めている」と答えた人が94%おり、今後の調査で数字が大きく動く可能性はあまりない。
地域別に見ると、全国の有権者の43%を占める最大票田の南東部では、ボルソナロ氏が前回調査の48%から50%に支持を伸ばした。ルーラ氏は44%から43%に数字を下げている。
全有権者の27%を占め、ルーラ氏の圧倒的な票田の北東部でも、ルーラ氏が68%から67%に数字を下げ、ボルソナロ氏が27%から29%に上げている。北部でも、ルーラ氏は46%と不動だが、ボルソナロ氏は49%から50%に上げている。
ヴェージャ誌は、支持率差縮小の理由として、アウシリオ・ブラジル受給者のボルソナロ支持増加を指摘している。今回の調査では、アウシリオ受給者のボルソナロ支持が33%から40%に上がり、ルーラ支持は62%から56%に下がったことが判明。アウシリオは通常、18~31日に払われるが、10月の支払は11~25日に前倒しされている。
大統領選一次投票で3位だったシモーネ・テベテ氏(民主運動・MDB)がルーラ氏支持を公言したことで、一次投票で同氏に投票した人の29%がルーラ氏に、21%がボルソナロ氏支持となったこともわかった。テベテ氏の拠点の南マット・グロッソ州を含む中西部で、ボルソナロ氏への支持が55%から53%に落ち、ルーラ氏が39%の支持を保ち、差が縮まっている。
先週から今週にかけて起きたノッサ・セニョーラ・アパレシーダの日の大統領派支持者の蛮行や、ボルソナロ大統領がベネズエラ難民の少女に対して不適切な発言を行い、謝罪した事態などを受け、女性の間では51%対42%、カトリック信者の間では58%対38%と、ルーラ氏がリードする傾向が続いている。
ボルソナロ氏がルーラ氏は中絶賛成派で当選すれば教会を閉鎖させるなどの虚報を拡散していることで、福音派信者の支持率は65%対31%から66%対28%となり、ボルソナロ氏のリードが広がった。