有権者79%が民主主義を希望=独裁政治支持は過去最低=ボルソナロ派も8割民政望む

民主主義を主張する垂れ幕(twitter)
民主主義を主張する垂れ幕(twitter)

 大統領選の決選投票を10日後に控えた時点で、国民の79%が民主主義を望み、1964〜85年のような独裁政権を求める人は過去最少となっているとの世論調査の結果が公表された。この数字は、民政復帰後で最も高い数字だ。20、21日付現地紙、サイトが報じている。
 これはダッタフォーリャが17〜19日に全国181市の2912人に対して行った世論調査の結果、明らかになったものだ。
 それによると、アンケートを受けた人のうち、79%が「民主主義こそが最良の統治方法」と考えていることがわかった。この数字は、ダッタフォーリャが過去に行った同じ質問での調査中で、2020年6月、22年8月に記録した75%を超える数字だ。
 逆に「独裁政権が最良」と考える人は5%まで減った。この数字はボルソナロ氏が当選した2018年4月に17%を記録した後、同年10月が12%、20年6月が10%のように下がり続けている。今回は今年8月の7%も下回り、この質問が最初に行われた1989年9月以降の史上最少記録となった。「独裁を支持する」という声は、90年代前半など、民政復帰から間もない頃の方が高く、20%を超えることもあった。
 これが「決選投票でルーラ氏を支持する」という人の間では、民主主義支持が78%、独裁政権支持が3%、「どちらも変わらない」が13%だった。
 他方、普段から独裁的物言いを好みがちなボルソナロ氏の支持者の中では、民主主義の支持者が80%とルーラ氏を上回った。その一方で、独裁政権を望む人も7%ではあるもののルーラ氏を上回り、どちらも変わらないが9%となっている。こうしたことから、ボルソナロ氏の支持者の間でも同氏に独裁者になることを望む人は多くないことが伺える。
 世代別に見ると、16〜24歳では民主主義への支持が81%で最も高かったが、60歳以上では73%と低い。学歴が基礎課程までの人の間では民主主義支持率が62%と低く、大学まで進んだ人だと93%とかなり高くなる。また、最低賃金の2倍以内の低所得者は72%が民主主義支持なのに対し、最低給与の10倍以上の富裕層だとそれが93%まで上がる。独裁支持はいずれの場合も4~6%だった。
 同時に行われた調査では、「政治の話を恐れる人」が多いことも確認された。「街中で見知らぬ人と政治の話をするのが怖い」と答えた人は一次投票前の34%より減ったが、それでも30%おり、「職場で」は25%、「家庭で」は24%、「友人と」は20%、「教会で」は18%、「学校で」は12%が政治の話を恐れていることが分かった。
 また、2018年の選挙より「各候補の政策を理解している」が62%、「候補者に関する情報に気をつけている」が57%、「選挙結果を心配していない」が23%(心配しているは49%)で、「投票しに行く気持ちがより強い」も69%など、有権者が前回選挙より冷静な様子がうかがわれる。

◆関連コラム
 ダッタフォーリャのアンケートによると、国民の間では民主政治が強く望まれる中で政治が二極化していることがうかがえるが、同調査団体は同時に、7月に行った15〜29歳の若者の意識調査の結果も公表した。それによると、「人生で大事なもの」を尋ねたところ、「健康」や「家族」に対しては80%以上が「とても大事」と答えたが、「性」「美容」「結婚」だと「とても大事」が20%前後とかなり低く数字だったという。特に、「結婚」に至っては「全く重要でない」も14%に達したとか。若者世代の意識の変化はこうしたところにも見受けられる。

 

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