約80年前にセアラー州で起きた強姦未遂事件で殺害された、当時13歳だった少女ベニグナ・カルドーゾ・ダ・シウヴァさん(通称メニーナ・ベニグナ)が24日、バチカン市国よりカトリックの列福を受けた。24日付現地紙、サイトが報じている。
ベニグナは1928年10月、セアラー州の州都フォルタレーザから523キロ離れたサンターナ・ド・カリリで生まれた。父親は彼女が生まれる前に亡くなり、母親は10代だったため、彼女と兄たちは農園主の姉妹二人の養子として育てられた。貧しくはあったが、彼女は存命中から信心深く、勉強熱心で優しい少女として知られていたという。
彼女は12歳頃からライムンド・ラウル・アウヴェス・リベイロという4歳上の青年に追い回されていたが、いつも毅然として断っていたとされている。だが、1941年10月24日、彼女が世話をしている薬草や花に水をやるために一人で家を出たところ、草むらに隠れていたライムンドに強姦されそうになった。ベニグナが激しく抵抗したため、ナイフで切りつけられ、刺されて死亡した。
以来、ベニグナは女性への暴力に対する反抗の象徴として地元サンターナ・ド・カリリで伝説となり、現在に至っている。10月には毎年彼女を祝う祭りが行われ、市の人口の5倍もの人たちが訪れるほど有名だという。
ベニグナ列福への動きは2011年に起こり、2013年にバチカンでの審議がはじまった。フランシスコ法王は2019年に列福を認めたが、パンデミックのために2020年の予定が延び、死後81年の命日にあたる24日に正式に列福された。
「列福」は徳と聖性が認められ、最低1度「奇跡を起こした」と認められた人物が「福者」の地位に上げられる儀式で、セアラー州ではベニグナがはじめてだ。これにもうひとつの奇跡が認められると「聖人」となれる。ブラジル人の聖人は2019年のイルマン・ドゥウセが記憶に新しい。