栄養失調等で入院の乳児増加=10万人につき113人、過去13年間で最多

母親が仕事に出たりして保育園に預けられている乳児達(Marcello Casal Jr/Agencia Brasil)
母親が仕事に出たりして保育園に預けられている乳児達(Marcello Casal Jr/Agencia Brasil)

 オズワルド・クルス財団(Fiocruz)が26日、2021年に入院した1歳未満の乳児は生存児10万人につき113人で、過去13年間で最多だったと同日付現地サイトが報じた。
 子供の健康観測局、ペトロポリス医科大学との共同研究は、病院情報システム(SIH)を基に全国の医療機関のデータを解析したもので、昨年は2979人(1日8人)の乳児が入院した。今年1~8月の入院者数は8・7人/日で、既に昨年比で7%増えている。
 生存児10万人あたりの入院乳児は2016年以降増えており、昨年の113人/10万人は、2011年の75人/10万人比で51%増えている。
 また、2018~22年のデータによると、入院した乳児の3分の1は栄養失調で、3分の2は黒人系だった。ただ、入院した乳児の3分の1は人種や肌の色が不明で、黒人系の比率がより高い可能性があるという。
 同調査コーディネーターのクリスチアノ・ブコリニ氏は、栄養失調の乳児増加は、食品や母乳保育へのアクセスが困難になっているためで、食品価格高騰や非正規就労者増加、労働者の所得減少などの問題を反映しているという。コロナ禍による失業者増加や所得減少で、食の安全が脅かされている家庭が増えた事は他の機関の調査でも言われている。
 また、脱水症状で入院する子供の増加は、上下水道の整備などの衛生環境改善が遅れ、下痢や肺炎といった病気で苦しむ子供が多い事も示している。
 入院乳児の比率が最も高いのは北東部の171人/10万人、2020年比での増加率は中西部の30%が最大だった。なお、乳児死亡率は2009年以降低下が続いている。

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