ブラジル大分県人会(永松通一会長)は23日、「ブラジル大分県人会創立70周年記念式典」を聖市リベルダーデ区の宮城県人会館で行った。式典には母県から尾野賢治副知事や御手洗吉生(みたらい・よしお)大分県議会議長ら7人が慶祝団として参加。県人会関係者や日系団体代表者ら約250人で盛大に節目の年を祝った。
式典では両国歌斉唱の後、先亡者へ1分間の黙とうが捧げられた。挨拶に立った永松会長は「コロナ禍にも関わらず県庁から、またブラジル中からも多くの方にお集まりいただきましたこと大変感謝しております。今回の式典の準備は、すべて若い2世・3世の県人会員が用意してくれました。70年続く大分県人会の世代交代が無事に進んでいることを嬉しく思うとともに、さらに次の世代へ残せるよう、県庁と協力して交流事業などを行っていきたい」と述べた。
尾野副知事は、「70周年を無事お迎えできたこと心よりお祝い申し上げます。大分から移住された方々とそのご子孫が、県人会活動に真摯に取り組み、70年の歴史を支えられてきたことは、ブラジル国内だけでなく母県大分においても高く評価されています。この歴史が未来を担う世代にも大切に引き継がれることを切に願います。また、私共も県人会の皆様の心のふるさとである大分をさらに発展させ、県民だれもが夢を持ち、活躍できるよう全力で取り組んでいきます」と語った。
御手洗県議会議長は、「式典が無事、盛大に開催されましたこと、大分県議会を代表してお祝い申し上げます。これまで県人会を支えてこられた歴代会長並びに会員の皆様の並々ならぬご努力に敬意を表します。日系人の方々がブラジルで長い間苦労を重ねて積み上げられてきた尊敬と信頼は、日本国にも大きな恩恵をもたらしてくださっています。今後も相互交流がより深まるよう努め、県人会と大分県、そして両国がこれまで以上に発展することを願っております」と述べた。
大分選挙区選出の後藤博子(ごとうひろこ)元参議院議員氏からの祝電も披露された。
大分県から日系4団体に記念奨励金の贈呈、各種顕彰、野村アウレリオ聖市会議員から尾野副知事と御手洗県議会議長への記念プレート贈呈、県人会と大分県で記念品の交換を行った。尾野副知事から県政概要について講演が行われ、県費留学生OBによる祝辞を志方カレン里香(しかた・りか)さんが代表して行った。
式典後、祝賀会が催され、乾杯の後、記念ケーキカットが行われた。約10㎏のピラルクの姿焼きやピラニアのフライ、寿司やコステラ焼きなどの豪華料理が振舞われ、食後には、サンバショーが行われ、来場者らはダンサーと共に踊り、会場は大いに盛り上がった。ダンス後、元県費留学生・技術研修生らが大分県慶祝団員らを囲んで懇談会を行った。
式典に参加した矢野敬崇大分県人会元会長(76歳、ブラジル日本語センター理事長)は「式典準備を若手県人会員が見事に行ってくれたことで、世代交代がうまくいった確信を得られ、ホッとした。県人会は次世代に理念をしっかり継承して、100周年を目指してほしい。そして心のふるさとである母県との交流を継続してほしい」と期待を語った。
伊東信比古元会長(79歳・大分県)も「1世から2、3世にうまく世代交代できたと思う。今大分にいる県費留学生や来年県費留学で行く2人を始め、これからも母県との繋がりを保ち、活発な交流を続けてほしい」と述べた。
式典には、小室千帆在聖総領事代理、片岡龍之介独立行政法人国際協力機構(JICA)ブラジル事務所所長代理、原宏日本貿易振興機構(JETRO)サンパウロ事務所所長、島袋栄喜サンパウロ日伯援護協会会長代理、西山実ブラジル日本都道府県人会連合会会長代理、山下譲二ブラジル日本文化福祉協会会長代理、桂川富雄氏(野村アウレリオ聖市議代理)、カズオ・クロービス・ヨシムラ氏(マウリシオ・ナカシマ聖州議会議員代理)、ナオミ・イマイズミ氏(羽藤ジュオルジ聖市議議員代理)、日系陸軍人のエジソン・ヒロシ・マサユキ氏、ジュンジ・アベ元連邦下院議員らが参列した。