福岡県と南米つなぐ活動を=移住家族会の石元氏と中村氏

マナウスでの釣り大会に参加した中村さん(左端)と石元さん(右端)(提供写真)

 「福岡県と南米をつなぐ活動をしていきたい」―。こう語るのは、福岡県海外移住家族会に所属する福岡市出身の石元卓也さん(54歳)と中村健太郎さん(43歳)だ。ブラジルをはじめ、南米から日本に留学している福岡県縁(ゆかり)の日系子弟の世話をする活動を続けている。今回は趣味と実益を兼ね、世界的な釣り大会参加を主な目的として、10月5日から2週間にわたってマナウス市を中心に滞伯した。今後はそれぞれの事業展開も視野に入れている。

 2人は今回、マナウス市の招待で10月14日の第1回ブラジル・スポーツフィッシングカップと、同15日の第8回ツルマン友好スポーツフィッシング大会に参加。ツクナレなど大型淡水魚を釣る大会に初出場した。
 中村さんの本職は造園業だが幼少の頃から魚が好きで、「見たことのない魚を1匹でも多く自分の目で見たい」と19歳の頃からブラジル、アルゼンチン、ボリビア、ペルー等の南米地域や東南アジアなどを巡って魚釣りを楽しんできた。
 趣味の魚釣り以外にボリビアのサンファン移住地で知り合った日系人子弟を、自身が代表を務める造園会社で弟子入り修行させ、来年1月から5年ほどの期間受け入れることも決まっているという。
 中村さんは来年1月初旬に、日本から6人ほどの釣り人を連れてアマゾン地域での釣りツアーを企画しており、ブラジルを訪れたい日本人が安心して旅行できるように、サイドビジネスにも力を入れる考えだ。
 一方の石元さんは、アパレル関係の服飾デザイナーとして活動後、商社勤務を経て2009年にデザイン企画、イベントプロモーション、食品関連加工商品製造企画、離島(りとう)島(しま)おこしプロジェクトなど多岐にわたる事業を行う企画会社を設立して代表取締役に就任。日本国内をはじめ、タイなど東南アジアを中心としたプロモーション活動を行っている。

淡水魚に魅了され南米を旅する中村さん(提供写真)

 ブラジル訪問は、20代の時に友人らと一緒に体験したピラルク釣り以来、約30年ぶりとなった。今回は中村さんが参加した釣り大会に同行して、動画撮影を行った。
 石元さんの子息は、福岡県にあるブラジルレストランの日本人オーナーの紹介で、15歳の時にアルゼンチンにサッカー留学し、ブエノスアイレス市在住の福岡県系人の紹介で、ブラジル2部リーグのサンパウロ州ミラソルFCに在籍した。石元さん自身も移住家族会に所属するなど南米との縁を持つ。
 2人は来年1月30日にはボリビア福岡県人会50周年記念式典が開催されることに触れ、「今後、日本の教育システムを(ボリビアの)サンファン移住地に導入したい」と意気込みを語った。

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