【既報関連】ルーラ氏が1・8%ポイントという過去最小の僅差で大統領選の決選投票を制した事を不服とするボルソナロ氏支持者達が2日、全国規模の抗議行動を行ったが、一連の抗議行動は違憲と判断されうると2~4日付現地サイトが報じた。
2日のリオ市中央部の陸軍東部司令部(CML)前からプレジデンテ・ヴァルガス大通りは、黄色と緑の服や国旗を身にまとった人達で埋め尽くされ、CML前は抗議行動参加者が乗り込むのを防ぐため、軍兵士による防護線が張られた。
サンパウロ市ではイビラプエラ公園傍の陸軍南東部司令部前が集合場所となり、ブラジリアでは都市軍事部門の陸軍本部前が集合場所となった。サンパウロ市やブラジリアでは軍警が監視や警備にあたった。ボルソナロ派の人々は他の地域でも軍の関連施設の前などで抗議行動を行った。
ボルソナロ大統領は1日に読み上げた声明で、「平和裏に行われる抗議行動は歓迎される」と述べ、トラック運転手達による幹線道路封鎖のように国民の権利を侵害する行為だけを批判した。
ボルソナロ氏支持者による抗議行動では、軍に選挙介入を求め、最高裁判事は憲法をないがしろにしたと批判する横断幕などが掲げられた。これらの行いに対しては反民主主義のクーデター扇動行為との見方が広がっている。
2日付フォーリャ紙電子版などは、抗議主催が抗議行動参加者にはボルソナロ氏の名前を出さない事や軍出動などについて書かれた憲法142条に言及しない事を求め、クーデター的な性質を隠そうとしていたと報じている。
だが、憲法の専門家は、ボルソナロ氏支持者達が軍の介入正当化に使おうとした憲法142条や34条は、現在のような状況での軍介入や国家介入を前提としていないという。
また、軍による介入要請はそれ自体が違憲かつ反民主主義的なもので、表現の自由の範囲を超えているため、抗議行動参加者は違法な犯罪行為に加担したとして懲罰対象になり得るという。特に、法治国家体制に反抗的な行動をとった公務員は特別な措置を受ける事になるという。
フェイスブックやインスタグラムを管理するMetaは4日、軍介入を求める画像などが入った投稿を削除し始めた事を公表した。