大統領選の決選投票の前日に、サンパウロ市内で銃を持って黒人男性を威嚇・追跡したことで問題となったカルラ・ザンベッリ下議(自由党・PL)が3日、米国に渡航したことを明かした。同下議に関しては逮捕や罷免を求める声が相次いでいた。4日付現地紙が報じている。
ザンベッリ氏は10月29日午後2時頃、サンパウロ市パウリスタ大通りに近い住宅街ジャルジンスで、黒人ジャーナリスト、ルアン・アラウージョ氏の飛ばした野次に怒り、 護衛とともに銃を持って追い回し、問題となった。
選挙高裁では選挙前日、当日、翌日の72時間は銃の携行を禁止しており、ザンベッリ氏はこれを破ったことになる。また、アラウージョ氏に対しては「ひざまづけ」と命令したとされており、人種差別に関する法の適用も噂された。だが、実際には、追跡中に発砲し、暴行も加えようとしたザンベッリ氏の護衛が逮捕されただけで、同氏の逮捕はなかった。
さらにザンベッリ氏は1日、選挙高裁によりワッツアップ、テレグラム、ツイッター、ユーチューブ、インスタグラム、tik tokのアカウントの使用を止められていた。それは大統領選でのボルソナロ氏の落選後、クーデターを行うよう煽ったためだった。
こうした相次ぐ騒動に対し、ザンベッリ氏の逮捕や下議罷免を求める動きが高まっていた矢先の3日、ザンベッリ氏はビア・キシス下議(PL)のアカウントを借りる形で米国に渡航していたことを明かした。理由は「個人的なこと」とし、アカウントを凍結した選挙高裁を抗議した。ザンベッリ氏は帰国日時を未定としている。