サンパウロ日伯援護協会(援協)および日伯福祉援護協会(日伯福祉援協)の定期評議員会と、援協臨時総会が10月29日、サンパウロ市リベルダーデ区の援協ビル5階神内(じんない)ホールで開催された。理事会選挙では、現職の税田パウロ清七会長をはじめとする単一シャッパが承認され、税田会長の2期目続投が決定した。
同日午前9時半(第2次招集)から開かれた第17回日伯福祉援協議員会では、2023年度事業計画案(設備投資計画案)と予算案が討議された。事業計画案では傘下の福祉部、イペランジアホーム、サントス厚生ホーム、さくらホーム、あけぼのホーム、奄美デイサービスセンターについて、太陽光発電導入や資材購入、各種改修工事等が発表。予算案は総額3722万7千レアルが提示され、それぞれ承認された。
その後、理事・補欠理事と正監査役・監査役補が選出、承認された。
午前11時(第2次招集)から開かれた第23回援協評議員会でも、23年度事業計画案(設備投資計画案)と予算案が討議。事業計画案では傘下の本部、巡回診療班、PIPA(自閉症児療育施設)、サンミゲル・アルカンジョ病院、イタペチニンガ病院、日伯友好病院について、パソコン購入等IT部門の設備投資や職員研修、建物の改修工事などが発表。予算案は総額8億8930万4千レアルが提示され、そのうち、日伯友好病院の予算案は7億3704万6千レアルで、それぞれ承認された。
定款改訂案の審議と承認後、理事・補欠理事と正監査役・監査役補の単一シャッパが選出、承認され、税田会長の2期目続投が決定した。
菊地義治評議員会会長は、援協・日伯福祉援協の両評議員会のあいさつとして、10月11日から同28日までの訪日で、故・神内(じんない)良一氏が理事長を務めていた日本国際協力財団を訪問したことに言及。同財団関係者から、神内氏が生前に直筆した詩の額を託されて援協に持参したとし、その内容を説明した。「喉(のど)の渇きの苦しさを吾(われ)知る故(ゆえ)に人の欲する井戸を掘る」と書かれた詩は、神内氏のブラジル日本移民に対する救済の気持ちだとし、その遺志を援協を通じて日系社会に継いでもらいたいとの思いがあると力説した。
一方、2期目続投が決定した税田会長は、コロナ禍でJICA(国際協力機構)を通じた日本政府からの助成金により、援協傘下の各施設の改修工事を行えたことや、日頃の援協活動に対する各人の協力への感謝の気持ちを述べ、続投への意気込みを表した。
同日午後2時(第2次招集)から行われた援協臨時総会では、定款改訂の主旨説明の後、審議が行われた。主な改訂内容は、これまで援協の定款の中に含まれていた「社会福祉」の項目について、公益社会福祉法人格取得の対象とならないため日伯福祉援協に移行し、援協の活動を「医療」の項目だけにしたこと。また、監査役について、これまで1期2年の期限だったものが2回再選できるようになったことなどで、審議の結果、拍手で承認された。
援協と日伯福祉援協の新理事・監査役は次の通り(敬称略)。
【援協】
会長=税田パウロ。副会長=洲崎順(第1)、園田昭憲(第2)、佐々木ヴァウテル(第3)、島袋栄喜(第4)、小田セルジオ(第5)。理事=伊藤アゴスチンニョ、柴垣暁宏(あきひろ)、鈴木デシオ、玉田エジソン、吉田エドアルド、長喜(ながき)グロリア、森エリオ、樋口秀樹、佐々木弘一(ひろかず)、横山ジュリオ、中田和夫、井上健治、安武誠、戸田マリオ、西岡ネウソン、村上パトリシア、土井セルジオ、西川修治、市川利雄。補欠理事=辻アンジェラ、根塚弘、マノ・エイスケ、南アゴスチンニョ。正監査役=アントニオ・ジョアキン・フィーリョ、山口正、井上茂則。監査役補=平野アリッセ、ハンダ・ジョアナ、具志堅茂信。
【日伯福祉援協】
会長=税田パウロ。副会長=洲崎順(第1)、園田昭憲(第2)。書記=島袋栄喜(第1)、小田セルジオ(第2)。会計=鈴木デシオ(第1)、佐々木弘一(第2)。理事=玉田エジソン、森エリオ、樋口秀樹、中田和夫、戸田マリオ、土井セルジオ、市川利雄。補欠理事=西岡ネウソン、藤村隆次(たかつぐ)。正監査役=佐々木ヴァウテル、山口正、安武誠。監査役補=中島エドアルド。