国防省が9日、今回選挙で軍が行った監査の結果報告を選挙高裁に提出したと9、10日付現地紙、サイトが報じた。軍による選挙システムの監査は、ボルソナロ大統領の要請を受けて行われた。
選挙高裁は一次投票後、48時間内の監査結果提出を求めたが、軍は決選投票後に報告書を提出すると約束。報告書は決選投票から10日目に提出された。
報告書では、軍の監査作業は電子投票システム検査に限定されていること、得票数などは正確で、外部からの不正を疑わせるものは見つからなかったとしている。
他方、以下の点で選挙高裁による分析を要求した。第1は、ソースコードを他の言語で記述したプログラムに変換(コンパイル)中とその後のプログラム(バイナリーコード)の最中にネットワークにアクセスすると、安全性にリスクが生じ得る点。また、完全性テストと指紋照合を使うパイロットプロジェクトを通じて行う機能テストの分析も要請。電子投票システムはその機能を変更し得る悪意のあるコードの影響を受けていないとは言えないとした。
国防省は、軍の技術者の提案を受け、ソースコードのコンパイルとそれによって生じ得る影響を理解し、電子投票機で実行するコードの徹底分析を促すための技術的な調査の実施を求めた。
これらの点は会計検査院(TCU)や伯国弁護士会(OAB)の監査結果とは異なる。TCUなどは、現行システムは安全で悪徳・不正行為の影響は受けないとしていた。国際監視団も、ブラジルの選挙は国際基準に従って行われ、透明性が高く効率的と評価している。
他方、投票箱の準備や選挙高裁に設置された選挙システムの検証などの段階で、投票開始前に計算された票はない事を証明するゼロ所定の手続きが順守されていた事も認めた。
アレッシャンドレ・デ・モラエス選挙高裁長官は、電子投票機や選挙過程に不正は見つからなかったとの最終報告を受け取り、満足した事、指摘点の分析を行う事、電子投票機は国の誇りであり、今回の選挙は票集計の有効性、公平性、透明性を証明した事を強調する声明を出した。
この報告書は、これ以上の疑問を挟む事を困難にし、開票結果を受け入れる事を促すものといえる。