【特集】本門佛立宗日教寺=日伯両国1千人で節目祝う=鈴木上人、長松海外部長らが来伯=起工式で無事の移転を祈願=日蓮聖人生誕800年、同寺建立60周年記念大法要開催

お会式の様子
お会式の様子

 ブラジル本門佛立宗中央寺院日教寺(コレイア日友住職ブラジル教区長)は11月5日午後4時、サンパウロ市ビラ・マリアーナ区にある同寺を移転するにあたっての安全祈願のための「起工式」をイピランガ地区の移転先で行った。午後7時からはビラ・マリアーナ区の同寺にて日蓮聖人の大法要「お会式」を行った。翌6日午前9時には「日蓮大士ご降誕800年およびブラジル本門佛立宗中央寺院日教寺60周年大法要」を行った。2日間に亘る式典に、ブラジル全土と日本の本山からの参加者延べ1000人以上が集まった。日本の本山からは、鈴木日樹上人特命巡教(同宗最高位『講有』代理・85歳)と長松清潤海外部長らが来伯した。

起工式

42年前の鈴木日樹上人のご条文をみせるコレイア教区長
42年前の鈴木日樹上人のご条文をみせるコレイア教区長

 起工式には信者及び関係者ら約150人が参加。移転工事が無事着工したことを感謝し、安全に工事が進むよう祈願した。移転には約1年半かかる見込み。
 同寺は始め、1962年にサンパウロ市ビラ・マチウデとジャバクアラ両区にあった2つの親会場を合併してサンパウロ市ボスキ・ダ・サウーデ区に建立された。その後、82年に現在のビラ・マリアーナ区に移転。移転から40年が経過し、施設の老朽化や改正された消防法・建築法へ対応するため、2024年上旬にイピランガ地区への移転を決定した。
 鈴木日樹上人は、1980年に行われたビラ・マリアーナ地区移転時の地鎮式と起工式、その後2012年に行われた同寺50周年記念法要・大屋根落慶式時にも来伯した。
 コレイア教区長は、80年に行われた起工式の際に、鈴木日樹上人が持参した手書きの条文を手に取りながら、「今から42年前、現在のビラ・マリアーナ日教寺の起工式にお越しいただいた鈴木日樹上人が今回の起工式にも来ていただけたことは、日蓮大士と茨木日水上人によって繋いでいただいた深い因縁だと心から感謝しています。コロナ禍があったにも関わらず移転準備が順調に進んだのは、仏様や御導師、信者の方々のおかげ。今後も無事に移転ができるよう尽力していきたい」と深々と感謝した。

御法門(法話)を行う長松海外部長
御法門(法話)を行う長松海外部長

お会式
 夜のお会式には他宗信者も参加し、約200人が集った。長松海外部長は、法要後の御法門(法話)で、「コロナ禍という困難な時期を経て、起工式が無事執り行われたこと、心より嬉しく思っております。4年前に日教寺の移転事業が立ち上げられた時には、ブラジルならではの課題が山積していたことを覚えています。いくつもの課題を乗り越え、起工式まで執り行うことができたのはブラジル本門佛立宗に携わる皆さんが一丸となった現証のご利益の賜物です。しかし、これはスタートであり、ゴールである移転が無事完遂できるようにブラジル本門佛立宗の皆さん異体同心でご奉公を続けていただきたい」と当地信者らへ激励を送った。

日蓮大士ご降誕800年およびブラジル本門佛立宗中央寺院日教寺60周年大法要

「日蓮大士ご降誕800年およびブラジル本門佛立宗中央寺院日教寺60周年大法要」で歌を披露する青年会
「日蓮大士ご降誕800年およびブラジル本門佛立宗中央寺院日教寺60周年大法要」で歌を披露する青年会

 日蓮大士ご降誕800年およびブラジル本門佛立宗中央寺院日教寺60周年大法要には、1000人以上の礼拝者が集まり、同寺のお堂は満杯、お堂外まで礼拝者が並んだ。
 鈴木日樹上人は法要後の御法門(法話)で、「これまで縁があり何度もブラジルに足を運ばせていただきました。45年前には、現在の日教寺建立のための『地鎮式と起工式』に、10年前には『日教寺創立50周年記念法要・大屋根落慶式』、そして今回の『起工式』に来させていただくことができたのは、私の力でなく皆様の信心あってのことです。皆様の新本堂建立の喜びを、今後のご奉公へお繋ぎくださいますようお願い致します」と呼びかけた。
 法要では、15年かけてポルトガル語に訳しお経を信者一同で唱和した。同寺青年会による歌、40年後の同寺100周年に際して開封し、その時の世代が当時の先祖の寄付者を見る「寄付者タイムカプセル」も披露された。法要後は、支給された弁当で一同舌鼓を打ち、法要を祝うケーキカットを行った。
 コレイア教区長は、「ここまでこぎつけられたのは仏様、本山、御導師、信者の皆様のご奉公あってのこと。無事移転が完遂し、新しいお寺が孫、ひ孫、その先の世代まで続くよう尽力したい」と決意を述べた。

ブラジルの皆様に仏のご加護頂けるよう=鈴木日樹上人特命巡教

鈴木日樹上人特命巡教
鈴木日樹上人特命巡教

 ありがとうございます。
 さて、本来ならば本門佛立宗講有の高須日良上人が一昨年にブラジル教区へのご親教の為にご来伯される予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の為、やむを得ず中止となりました。
 そこで、本年は講有の高須日良上人の特命を賜り、小僧鈴木日樹がブラジル教区の御奉公を仰せ給わり御奉公に上がりました。
 小僧は、1978年から1981年まで3カ年、本門仏立宗第十八世講有西村日地上人のご命を賜り、佛立派遣教務として御奉公をさせていただきました。その折り、今の中央寺院日教寺の地鎮・起工式を挙行させていただきました。それ以来42年が経過いたしており、その後、今回まで三度も渡伯致しました。
 前回の2012年に御奉公に上った折りに、ブラジル全寺院にお助行をさせていただき、中央寺院日教寺の創立50周年法要を奉修させて頂き、この度は2022年10月27日より11月7日までブラジル教区へ御奉公に参りました。
 28日は日教寺の新しい土地を視察にいき、大変感動いたしました。午後はブラジル教区の長老堀越真輝氏が帰寂されましたので、ニ七日忌の回向に堀越宅へ参りました。
 翌29日は、モジ・ダス・クルーゼスの隆昌寺のお助行に続いて、隆昌寺スザノ別院でお助行をさせていただきました。30日はカンピーナス蓮徳寺の創立40周年の法要と新本堂の上棟式を奉修させていただき、当日の参詣者は281名でした。31日はブラジル教区の佛立聖地へ参詣させて頂き、驚いたことはこの聖地の面積はなんと66万坪との事でした。
 11月1日はリンス大宣寺に御奉公させて頂き、この日はブラジル仏教初祖茨木日水上人の祥月命日で謹しみて言上させていただきました。2日は、プレジデンテ・プルデンテの日扇寺へのお助行に参りました。丁度この1日と2日は高速道路でトラックのストライキがあり、予定が遅れて大変でした。
 3日と4日はブラジル教区のご信者方がイグアス旅行のご有志をして下さり、楽しんで参りました。3日はブラジル側、4日はアルゼンチン側とそれぞれのイグアスを見学して参りました。
 5日は、ブラジル教区中央寺院日教寺の新本堂起工式奉修をさせていただき、現在の日教寺の2倍程の面積のある土地で、寺院建立完成時には立派な建物となることと存じます。
 6日は、中央寺院日教寺の高祖日蓮大士ご降誕800年記念法要に併せて創立60周年記念法要でした。当日は1000以上の参詣があり、大変喜ばせていただきました。
 12日間の御奉公、ブラジル教区の皆様の御奉公にて無事終える事が出来ましたこと、心より感謝御礼申し上げます。
 どうぞブラジル教区の各寺院の皆様に仏のご加護が頂けるように異体同心にてお励みください。そして皆様が健康でご弘通に励まれるよう、祈念申し上げます。
2022年11月7日
鈴木日樹 合掌

佛天のご加護をいただいて=コレイア日友住職ブラジル教区長

コレイア日友住職ブラジル教区長
コレイア日友住職ブラジル教区長

 ありがとうございます。
 この度は、有難くも高須ご講有のお慈悲により、特命巡教として鈴木日樹上人にご来伯いただけたことは誠に随喜の極みです。そして、ご息女の鈴木節子様、長松海外部長とご子息デニス君と鈴木お導師随身の福岡清耀師らも共にこられ、正しく佛立ファミリーがブラジルの為にわざわざ来られ、大きく励まされました。
 特に今回は、コロナ禍が緩和され、ブラジル佛立宗が全国的に再始動するために最も適した時期に大法要が勤められたことは銘記すべき大果報です。2年前はコロナ禍とはいえ、茨木日水上人の御50回忌に私たちの不徳でご講有にご来伯いただけず、ブラジル仏教初祖に存分なるご奉公をお供え出来なかったことは誠に残念でしたが、日水上人はお慈悲深くきっとお徳を日蓮大士に捧げられ、そのお陰で今回は諸々成就させていただけたことは存外の喜びです。
 特にご来伯をくださった鈴木お導師は、44年前に日本より派遣され、当時私自身の入寺も許され、日教寺のお住職とブラジル教区長を勤められたことを思うと、この度は来られるべくして来られたお方といただき、この大なるご因縁によって私たちは救われた思いでいっぱいです。み仏や三祖聖人をはじめ、歴代ご講有、日水上人、ブラジル歴代教区長、派遣お教務方やご信者方に深く感謝申し上げる次第です。
 また、主なご予定はカンピーナス蓮徳寺新本堂の上棟式、新日教寺移転先の土地での起工式と日教寺では、創立60周年と高祖大士ご降誕800年を晴天かつ、千名を超える全国の皆様のご参詣ですべてが盛大に成就させていただけたことはこの上なくありがたく、佛天の大なるご加護がいただけたとしか思えません。
 しかし、長松海外部長のご挨拶にありましたように「これはゴールではなく、スタートなのだ」とのお言葉通り、これからの課題の方が大きい。我々は、今まで支えられてきたに過ぎない。新しいお寺を建立するためには、最も大切な信心増進、信心改良、教化折伏の御奉公に異体同心で精進させていただかなければなりません。
 そして、その上で志篤く大事なレンガ1個のご有志運動にもご協力をいただいてこそ新しいお寺がご利益として建立されます。何個でも数多くご有志させていただきましょう。これこそが、今人界の最高の思い出となることは間違いありません。皆さんに心底より感謝申し上げます。御教歌「みほとけに供へし徳は身につきて、生々世々にはなれぬときく」。永遠に残る功徳を積ませていただきましょう。
コレイア日友 合掌

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