【既報関連】新型コロナのオミクロン株から派生したBQ1型株による死者も出たサンパウロ州では、内陸部でも感染者や入院者増加中と10~13日付現地紙、サイトが報じた。
国内初のBQ1型株感染者確認はリオ市だが、サンパウロ州も8日、10月に死亡したジアデマ市の女性とサンパウロ市在住の男性の2人がBQ1型株に感染していたと発表した。死亡した女性は寝たきりだったため、市中からの人流、物流感染と見られている。
株特定には時間がかかる上、薬局で買ったテストの利用者も増えているため、10月23~29日の感染者が前週比で173・4%増だったのは実態以下の可能性が大きい。マスク着用などの規制緩和と選挙戦、新型株流入などで感染が拡大傾向にある事が考えられる。
予防接種の進展は重症化例や死亡例の減少に繋がるが、感染者が1週間で2・7倍に増えれば入院者の増加は避けられない。8日現在のサンパウロ大都市圏の集中治療室(UTI、英語ではICU)使用率は2週間前の65%増、一般病室は81%増だ。州全体でもUTIが55・5%増、一般病室は49・9%増えた。
感染者増は内陸部でも起きており、リベイロン・プレット市で11月1~8日に確認された感染者72人は前週の8倍で、10月の131人の54%に達した。ソロカバ市も10日、死者3人、感染者35人と報告した。前週の報告での感染者は22人、10月は21日間死者0だった。
予防接種進展で現状はコロナ禍の第3、第4波よりも増加傾向は穏やかだが、リオ市の入院者は8~11日に3倍強に増え、6~13日の全国の感染者は前週比で138%増、死者も24・3%増えた。感染者が前週より減ったのは3州のみだ。
保健省や専門家はサンパウロ州での補強接種遅れが900万人、全国では1回目の補強接種遅れだけで6900万人という実態を懸念し、補強接種を促している。サンパウロ州の場合、内陸部の感染拡大はサンパウロ市やサンパウロ大都市圏より2~3週間遅れて起きるため、感染拡大に備えた病床増やその準備をとの声も出ている。
サンパウロ州政府は12日、新型コロナやポリオ、麻疹(はしか)のような予防接種が有効な病気への対策支援として645市に9300万レアルを投ずる意向も表明。高齢者や基礎疾患のある人にはマスクの着用も勧められている。