岐阜県人の絆 世界へ、未来へ=想い満ちた世界大会が初開催=第3回=市長や専門家が魅力を討論=米国日系州議らの記念講演も

 世界大会にはブラジル約40人を始め、南米から約50人が駆け付けた。亜国県人会事務局長の長屋高行さん(73、岐阜市)は、「こうして初めて集まることができ大変うれしい。ただ次回へどうつなげるべきか考えて、努力しなければ。そのためにはいかに次世代を育てるかが大事」と、4年後に予定する第2回大会を見据えた。
 当地からの慶祝団の一人、花嫁移民の佐久間淑子さん(88)は高齢ながら娘と共に元気に参加。「コロナが始まる4年前に訪日して以来」と言い、懐かしさよりも「岐阜県人として式典に参加できたことがうれしい」と笑顔。「これからも若い人がどんどん活躍してくれるのを楽しみにしている」と期待を寄せた。
 また1954年の戦後移民、大野光男さん(76)は「ブラジル内だけでなく世界中の県人とのつながりも大事にしなければ」との気付きを語り、コロナで果たせなかった日本に住む親族との再会も楽しんでいた。
 翌30日には関連行事が多数行われた。パネルディスカッションには岐阜市の柴橋正直市長らが登壇。国外在住の編集者ら5人が参加し、「世界へいかに魅力を伝えるか」をテーマに議論した。「一貫性を持つこと」「伝統・技術を継承し本物をつなぐこと」といった提案がなされ、「県内外国人を大切にし、愛着を持ってもらう」「各国の県人や子どもらが県産品を愛用することでファンを増やす」といったアイデアが挙げられた。
 講演会では、米国の日系3世でカリフォルニア州議の村土(むらつち)アルさんがリモートで登場。祖父母が県出身で米国移住したという。メキシコへの再移住を経て帰国し、自身は沖縄米軍基地で生まれ育った。「故郷郡上の景色はとても美しい。沖縄にいたころは日本食やスポーツ、漫画に親しんだ」と懐かしんだ。
 GKIの西えり子副会長(カンボジア県人会)も登壇し、農村部での医療支援に取り組む活動を紹介した。貧しく診療を受けられない病の子どもらの受け入れ先病院を探すなど、ボランティアで献身的に活動している。現地人の人柄や笑顔に支えられているとし、「県人会としてもカンボジアから岐阜を広める役割を全うしたい」と頼もしく語った。(つづく、小倉祐貴通信員)

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