【既報関連】昨年末から今年にかけて、感染第3波、第4波を引き起こしたオミクロン株はその後も変異を続け、BQ1型株はブラジルや欧米などで感染急増を招いている。そうした中、アマゾナス(AM)州で確認された新たな下部変異株が感染を加速させ得ると15、16日付現地紙、サイトが報じた。
AM州では感染第4波の最中の6月にBA5.3.1という下部変異株が見つかっており、10月までの感染の大半は同株が原因だった。
だが、同州の最近の感染者増の原因は、BA5.3.1がさらに変異したBE9だという。BE9はオズワルド・クルス財団(Fiocruz)が新たに確認した下部変異株で、AM州でしか確認されていない。2021年年初頭に同州で発見されたガンマ株(P1)が伯国で第2波を引き起こした事を考えれば、BQ1同様に全国で感染拡大を引き起こす可能性がある。
また、スパイクタンパク質での変異が3カ所起きると感染が急増するとも報じられた。同州では10月16~22日の新規感染者が前週比で326・3%増えており、この時期からBE9による感染が広がっていた可能性がある。
この週は連邦直轄区の感染者が前週比で808・5%増えた他、ペルナンブコ州は361・0%増、セルジッペ州で300%増。翌週はマット・グロッソ・ド・スル州で1362・5%増など、このところ、感染者が前週比で倍以上の州が増えている。保健所などで検査を受ける人や陽性率も増加傾向にある。
なお、予防接種の進展鈍化や感染者増で、0・2%だった観察中の感染者数も11日以降、0・3%(10万人台)に戻っている。入院・死亡例は感染者程増えていないが、サンパウロ州の入院者の大半は高齢者か予防接種や補強接種を予定通り受けていない人だという。
こういった報告を受け、サンパウロ州では公共交通機関でのマスク着用の再義務化を検討中。サンパウロ総合大学(USP)は16日から、イピランガ博物館も含めた閉鎖空間でのマスク着用を義務化した。全国的にも、マスク着用や手指の消毒といった防疫対策再採用を奨励する動きや、子供も含めた接種未完了者の接種完了、基礎疾患などがある人への3度目の補強接種への呼びかけが強化されている。