当地から訪れた大政武志さん(70)、房子さん(同)夫妻は岐阜の良さを改めて実感したようで、「県の素晴らしさを感じた。魅力がたくさんある偉大な場所ですね」。また県南東部から訪れた笠井政志さん(ささい、65、多治見市)は、「若い人の活躍が印象的。岐阜の良さを発信する思いが伝わってきて感心した」と述べた。笠井さんはサンパウロ市ジャパンハウスで話題となった美濃焼の広報活動にも取り組んでおり、「魅力を再確認できたので、それを個々ではなく、いかに一団で発信するか。一貫性のあるPR方法を模索しないと」と提案した。
別エリアでは和文化体験のワークショップや物産展も行われた。養老ひょうたんや岐阜提灯の絵付け体験のほか、毛筆体験は国外の来場者から人気だった。県産品の販売コーナーでは和洋の菓子類ほか調味料、地酒、工芸品などがあり、県産品の多様さをうかがわせた。
元洋食器販売業者の奥勇さん(78、瑞浪市)は30年の米国生活から帰国し東京から訪れた。県産品を見つめ「岐阜の魅力を新たに発見した」と感銘を受けた様子。式典にも訪れ、「知事や野田(聖子)さんら、県を代表する人物が来てくれてうれしい。世界大会という規模の大きさを実感した。郡上踊りやお囃子も素晴らしかった。講談にも感動した」と笑顔で語った。
大会の最後には青年海外遊学支援事業のプレゼンコンテストも行われた。同事業は2017年に岐阜県青少年育成県民会議による「青年ニューヨーク遊学支援」が前身となっている。後継企画としてGKIが復活、発展させた。1カ月間の国外活動で青年層の国際経験を養い、人材育成するのが狙い。優勝者には最大40万円の支援金が交付される。
最終候補者5人はそれぞれバングラディッシュでの女性支援や雇用創出、イタリアでの繊維業見聞といった挑戦を発表。優勝には米国での医療研修を望んだ大島鴻太さん(23、岐阜市)が輝いた。東京都内の県系学生寮で事業を知り、「今まで座学でしか得られなかったことを、実体験をもって学びたい。コロナによる自粛で溜まったやりたいことを一気に叶えたい」と意気込んだ。
28日には加盟団体代表者によるサミットも行われた。対面で一堂に会するのはもちろん初。会計や次期総会、役員選挙について確認がなされ、次回の世界大会を4年後と定めた。
全日程を終えた長屋会長は「10年来の願いが叶い感動。無事にできて本当に良かった」と胸をなでおろしたが、「ゴールではなく通過点。誇りを再確認し引き続き尽力したい」と思いを新たにした。各県人は岐阜愛を心に刻み、「また会おまいか」の言葉と共に再会を誓った。(おわり、小倉祐貴通信員)